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今後の日本国家はどうあるべきか【2】西部ゼミ2012.1.1放送

パート1からの続き

以下、ざっくり文字起こしです。


施光恒さん

西部先生が「言葉の仕分けが起こっている」と仰ったが、今の政治というのはスローガン政治的なところがあって、先程西部先生も言及された「アジアの成長を取り込む」「アジアは成長のエンジン」とかですね。この言葉をよく考えてみると戦後的ではないというか下品というと言い過ぎかも知れないが。

「新興諸国の外需を取り込んで」という言葉をよく考えてみると、そこで雇用を奪う事にもなるし、新興諸国の経済的自立、自立的な発展というものを阻害する可能性もある。そういう意味で「外需を取り込む」「アジアの成長を取り込む」っていうのは中々激しい物言いだと思うんです。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 施光恒さん
柴山桂太さん

70年前だったら帝国主義じゃないかと。だってアジアの人々に日本の物を売って…、「売り込む」とか言って…成長するんだからと。言葉を変えるとアジアの人々に日本の製品を買ってもらって、もっと日本が食い込んでいくっていう…。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 柴山桂太さん
中野剛志さん

そこまで来ると昔言っていた平和とか、そういった事を言ってみてくれよ。完全にビジネスの話だけになっていますからね。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 中野剛志さん
西部邁さん

昔話になるけど、小泉純一郎のワンフレーズ・ポリティクス。政策のポリティクスじゃなくてワンフレーズの言葉遣いで、「成長力を取り込む。どうだ!」とか、それで良いような感じになっている。

自由主義の総帥といわれたフリードリッヒ・フォン・ハイエク。簡単に言えば20世紀最大の社会思想家・哲学者の一人だと思うんだけど、彼は確かに自由・自由・自由・自由と言って死んじゃった人なんだけどね。でも条件があるから言ったのね。彼が言う自由はspontaneous order。spontaneous(=自然発生的な)っていうのは(先に言及した)共同体と関係あるんだけど人々が自生的に、自ずと生まれる、人々が共同体で生活したときに、誰の命令でもなくて家族の作り方、隣近所の組合せ方etc...。そうした歴史的な秩序です。歴史的な秩序がある限り、それに対し政府は余計な事を口出しするなと。その秩序に基づいて人々は自由闊達に喋ったり取引したりすれば、まぁ進歩が来るだろうってのがハイエク大先生の御託宣な訳ですよ。僕、それは一応正しいと思う。

でもこの間、IT革命でもイノベーションでも何でもいいけど、まさしく共同体・コミュニティ。共同だからcommonですよね。人々が共有する道徳・習俗・習慣・約束。そうしたものがイノベーションによって次々と破壊された上で自由と言ったら…。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 西部邁さん
柴山桂太さん

さっき勝間さんは「自由になると元気が出る」と言うけど、この20年間徹底的に自由化を進めたけど段々元気無くなっていますよね。そりゃそうですよ。だって今言った共同体もだけど、人間が生きるというのは何か支えみたいな物がないと生きられないけど、そういうものを全部壊していく訳でしょ。企業に入ってもいつ失業するか分からないし、隣近所の関係もどんどん変わっていくって中で「それが自由だ」って言われても全然元気出ないですよね。

中野剛志さん

現にいわゆる労働市場の流動化とか言って派遣労働が作られた訳ですが、あの時の理論というのは「若者が自由に職場を選べる。一つの会社に束縛されない」って事だったんですが今、若い人たちは「会社人間になりたい」って訳ですよね。

施光恒さん

新入社員に「今の会社で一生働き続けたいですか」というのを毎年聞いているが、2000年は20%程度だったものが、確か2009年では50%を超えていたんですね。だから今の若者は昔みたいに自由とかフリータという形になるよりは正社員として安定的な環境が欲しいと。今それが如何に失われているかという事だと思う。

西部邁さん

今仰った安定って単に若者だけの話ではなくて、自由主義者が呼号して止まない市場原理主義。マーケットそのものがそうなんですよ。自分が企業家だとして、3年後、5年後、10年後…。技術開発、海外投資etc...長期的な視野で動く。家庭生活だってそうですよ。仮に自分の子供は偏差値高そうだから東大に入れようかと長期的に思っても、5年後にヤクザの大学になってるかも知れないとなったら子供を何処に入れていいか分からないでしょ。

長期未来が予想として或る程度安定していないと、もっと具体的に言えば価格。「需給の差に於いて価格が自由に変動します」と習ったが逆じゃないかと。長期価格がまぁまぁ安定してるだろうという見込みの基に需要と供給が安定的に計算される訳ですよね。将来どんな価格になるか分からないって事になったら、住処も決められない、家も建てられない、子供の教育も出来ない。だから若者が安定を得たいというのは単に人生の問題じゃなくて、社会全体の問題として何程か安定していないとね。

中野剛志さん

柴山さんと出した本の中でも言及したが、安定が大事だと。逆に安定的な見通しがないと思い切った投資も出来ないからイノベーションも起きないんだというのが普通の考え方だと思うんですけど、それを言うと昔自由を謳歌したらしい年配の方々が「君、違うよ! 安定志向じゃ駄目だ。内向きになっては駄目だ。カオスの中からイノベーションは生まれるんだ」みたい事を言う。そう言うんだったらお前、リビアのトリポリは今カオス状態だからそこ行ってイノベーションでもやってみたらどうだ。結局の所カオスなんて知らない奴らが粋がってるだけなんですよね。

西部邁さん

そういう乱暴も言いたくなりますよ。

施光恒さん

正確に調べた訳ではないが今の若者は、それが安定や成功に繋がらないからコツコツや勤勉を重視しなくなったらしい。昔人気があったマンガは努力・根性がスローガンのスポ根ものだが今は評価されず、運とかそうした物語の方が受けてしまうのかも知れない。

西部邁さん

滅びの兆候であって…。

未来が安定していた方がイノベーションも起こる、中野さんが言った通りだがもう一つ条件がある。 未来は見込通りにいく訳がない。今度の地震もそうだけどいつ何時危機が到来しないとも限らない。さてその時…。

人間というのは不完全で間違いを犯しやすい。どこかで自分一人では耐えられない危機というものが環境的にも訪れるであろうと。そんな事は昔の人は分かっていた。そこで作り出したのが先程言った共同体。言葉を変えればorganism=有機体。植物の様に絡み合う社会のあり方、家族のあり方。そしてorganismに基づくorganization=組織ね。有機体と組織体という二重構造の集団があって、危機が訪れた時に自分一人じゃ太刀打ち出来ないけど、何とか力を合わせれば危機に対応出来る。そんな事は太古の昔からみんな分かってんだから。

中野剛志さん

まずいのは人間的な社会とか組織の有機体、とりわけ地域の共同体っていう物は、まさに生物の有機体のアナロジーが適切なんですけど、ハイエクのspontaneous order、自生的に出来るのと同じで時間を掛けて出来るものなのですが、これをぶっ壊すのは割と簡単に出来るが復活させる事は出来ないんですよ。だとすると昨年の震災。兎に角いの一番に地域を復興させないと、早い内に直すんだったら復活しますが半年以上放置されたら共同体が崩壊する。すると人間性が崩壊する。現に避難所や仮設住宅では孤独死が増えている。これは正にそれなんです。一刻も早く復興させなきゃ取り返しがつかない事になるのに、この国ったら6月から財源の議論を始めた。これは許し難いですよ。

柴山桂太さん

しかも復興特区で各自治体にお金与えるから自由にやって下さいって形で、そういう(中野さんが言われる様な)話に行かないですよね。 人間には自由だけじゃなくて、組織や共同体が必要って事は常識的な話ですよね。そんな難しい話でないにも関わらず、この間ぶっ壊してきたというのは、日本人が自殺願望というと変ですが、これまでの自分達の物を全部壊していきたいという何か、戦後日本人というべきかも知れませんが、一種の自己破壊願望のようなものがあるんじゃないか。

西部邁さん

この20年間、シュンペーターが言った創造的破壊がずっと続いている。勿論人間は新しい事をやるから創造的なのは良いです。でもね、度を超すと新しい物が破壊的になる。それを目の当たりに見てるのに『創造的破壊』という言葉だけが頭を占領している。

竹中平蔵君には悪いんだけど、彼の本の中に「私の改革思想はワクワク感なんです」とある。

柴山桂太さん

ワクワク感…。

中野剛志さん

なんか創造的に破壊したくなってきましたね。

西部邁さん

こんなワンフレーズ学問って聞いた事ある? わくわく感だよ、そりゃ幼稚園生なら言ってもいいよ。日本人が劣化してるってよく言われるけど、折角これだけ豊かな言語能力を持っていた国民が、最後は言語能力を失ってワクワク感なんて言ってる。

中野剛志さん

そいつのワクワク感の所為で沢山の人が路頭に迷ったり自殺に追い込まれているんだと思うと許し難いですよね。

施光恒さん

改革、改革というが目的が良く分からない。竹中さんはそれでワクワクを感じるのかも知れないけど、普通の人は全然ワクワクしないと思うんですよね。永続的な改革のスキームとか、そういう言い方をして改革をやっていこうとするけれど、改革の先に何があるのかって多くの人は持ってない。

西部邁さん

竹中さんの名前を挙げたのは視聴者の皆さん、もしもジャーナリストも含め日本に1万人の経済問題に関わる人間が居たとしたなら9999人までそんな調子なんだ。違うな、10人くらいはまともな人が居る。

パート3に続く

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