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今後の日本国家はどうあるべきか【3】西部ゼミ2012.1.1放送

パート2からの続き

以下、ざっくり文字起こしです。


西部邁さん

ふと思い出したけど20年位前、構造改革のバカ騒ぎが始まった頃に、ある知識人達が「ガラガラポンの時代が来た」。ガラガラポンってのは籤でガラガラ回して当たりや外れがポンと出るあれ。よくもまあそんな事が言えるなと。何百何千何万年って言ってもいい歴史が、多くの悲劇を伴いながら何とか努力して作ったやつを、何を偉そうにガラガラポンなどと言ってるんだと。

言葉のショックを期待するっていうのがずっと続いている。ワクワク感もそう。ちょっとキザなセリフを言って「どうだ!」っていう。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 西部邁さん
中野剛志さん

大阪のダブル選挙もそうですが、TPPの議論もそうだ。この20年以上こうなんですよ。「社会には閉塞感がある」「閉塞感の打破」と言われて過激な事が言われ、それはおかしいじゃないかと反論すると「じゃあこのままでいいのか」とかこの調子でずっと、やってみなければ分からない、政権交代もやらせてみようという感じだったんですけど、この20年くらいずっとこの調子できているんですけど、それでいつも思い出すのはスペインの哲学者ホセ・オルテガが『大衆の反逆』で言っていることなんですけど、彼も大衆批判をしたときに同じ様なぶっ壊してしまえという議論が凄くある。これを彼は『甘やかされたガキども』だと言った訳ですが、どういう意味かというと親が一生懸命働いて遺産を相続させるんですが、その遺産を食いつぶすだけなんですよ。自分で働いて稼いだ事がない。

言い換えれば過去からの遺産は一回失われれば取り返しがつかないんだという、真剣味に欠けた連中が共同体の議論でも言った様に作るには時間が掛かるが壊すのは一瞬、非対称なんです。だけど再生するのはとてつもなく難しい。その事を自覚していれば大抵の人間が保守的になる訳ですね。新たな提案よりも今ある確実な物を守った方が大丈夫だろうと。先程の議論にあった通り人間は間違いやすいですから。

親の遺産で食ってまともに働いてない連中は、失ったら取り返しが付かないっていう真面目さに欠けているので「ぶっ壊せ」とか「創造的破壊」とか言いたがるんです。

若い人や年配の人と議論をしていて、役所も大学も、企業、マスメディアもそうですが、高度成長やバブル期を経験した当時20,30代の人達は何か新しい事をして失敗しても取り返しがつく時代を長く過ごした人達なんですね。

この人達は90年代後半以降の非常に厳しい時代に、何か馬鹿げた判断をすると取り返しがつかない、ワクワク感なんかで政策をやったら路頭に迷う人・自殺する人が激増する、実際構造改革の結果98年以降自殺者が3万人を超えた。それまで2万人だったのが年間1万人死んでる。それが15年近い訳ですから戦争もしてないのに15万人が犠牲になっているに等しい。こんな取り返しがつかない事になったらまずいという真剣味があれば、そう簡単に「閉塞感の打破」とか「ぶっ壊せ」ということを言わない筈なんですが、何せ若い頃に失敗した事が無い人達なので平気でそういう事を言う。だけどもそれで犠牲になるのはワクワク感やぶっ壊せと言った人達じゃないんですよ。彼らは若い時代に既に小金を貯めていいポジションに居ますから…。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 中野剛志さん
西部邁さん

あなた、まさか僕の事言ってるんじゃないでしょうね。(小金)貯まってませんから(笑)

中野剛志さん

小金貯めちゃってると、デフレで物価が下がっていくからそんなに問題ない。ところがこれからお金を稼がなきゃいけない人達はデフレで賃金が下がっていくって大変きつい状況なんです。大学の先生や役所とか、そういった所でポジションを確保した人達ってのはそんなにデフレの痛みは伴わない。これから就職活動する人達はつらい訳です。ところが少子高齢化だからつらくない人の方が多い。この人達が90年代後半、2000年代、今。あらゆる組織とかで意志決定をする重要なポジションに居るんですよ。

西部邁さん

甘やかされたお坊ちゃん(=spoiled children)。こういう連中達をオルテガはmassと呼んだ。こうも言っている。「massはmassでないものを徹底的に憎むのである」。それ故に、この国でもあの国でもいいんだけど、「指導しようとする人間達を事有る毎に引きずり降ろすのである」と。massはmassでないものを執拗に虐殺、扼殺をしかけて、指導者が誰も居なくなった時に彼らは嘆いてみせる。僕流に言い換えれば、「腕を組んで『人材が居なくなった』」。自分達で人材の可能性のある人間を次々に扼殺した後で「指導者は居ないのか」と嘆く、まさに今の日本の状態。そうなると資本主義の問題だけじゃないのね。

柴山桂太さん

この間ふと振り返ると後から後悔することが実は多いはずですよね。構造改革でみんな万歳してみたけど、結果的に地方は疲弊する、仕事は不安定になる…、あれ、おかしいなと一瞬思うんだけど、次は懲りずにTPPとなる。

IT革命も、情報技術が進化すると我々の生活がもっと成長するといったが、携帯が出てきて忙しい感じもするし、そんなにいい暮らしになった感じはしないけど何となくそれが良かったと思っても何処か一寸反省してるけどそれが出てこないって状況。

一つ笑い話があって、何処かで講演した時に僕は、「地域活性の為に共同体の再評価が必要だ」と話した。とは言え僕自身は共同体が崩壊した後の若い世代だから観念的な話になってしまった。すると一番前に座ってる年輩の方が凄い顔で睨んでるから怒られるのかと思ったら、「はい」と手を挙げて、「先生、あなたの話は全然現実を見てない」と言われた。70歳くらいの人だったからその厳しさを知らないと批判されるかと思ったら、「先生、今はITの時代なんだよ。そんな共同体なんて古くさい時代じゃないんだよ。ITは世界で人が繋がって新しい時代が来るんだよ。先生は全然分かってない」ってね、まさか70歳の人にお前はIT知らないって言われるとは思わなかった。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 柴山桂太さん
中野剛志さん

捻れというか最近変な現象があるといつも思うんだけど、普通は一定の…50、60、70歳くらいになったら良きにつけ悪しきにつけ保守的で落ち着く訳ですよ。世間知があって新しい物に飛びつくのは嫌なんだ、年を取ったんだからとか、お前も落ち着きなさいよとかになると思う。しかし今は違う。年配の人の方が若作りして、「最近の若者は元気が無いから外に打って出ろ」「グローバル化しなきゃいけない」とかいい年こいて何言ってるんだと。グローバル化して外に打って出たいんだったら自分達から行ってくれと。どうせ少子高齢化でお前ら多すぎるんだからさ(笑) 何か妙な事になってるんですよね。

西部邁さん

ここに来る途中、雨の中をバックパック背負った僕と同世代の70歳と思しき老人を二人見かけた。

施光恒さん

例えが悪いけど、女性が若い頃と同じ化粧を年を取っても続けたり、新入社員の時のスーツスタイルを年を取ってもずっと続けたり…若干あるんじゃないかな。一昔前はインフレ気味でずっと経済成長が続いていた。そこで一億総中流と言われて、そこでは「若者よ、どんどん外に出て行け」というのがあった。そのイメージを今でも引き摺って、今の若者に対してそうした事を言い続けてるんじゃないかな。

西部邁ゼミナール・今後の日本はどうあるべきか 施光恒さん
中野剛志さん

80年代がキーポイントで国際化って凄く言われてた訳ですよね。貿易摩擦で米国に圧力も掛けられ中曽根政権の前後でしょうかね。この人達の、「国際化しないと日本は駄目なんだ」という強迫観念を今振りまいてる感じがするんですよ。

西部邁さん

第三の開国とかね。

中野剛志さん

妙な事があってね。そんなに国際化したいんだったら二つあって。 一つはね、TPPが典型なんですけど、「日本は自分達で自らを変えられないから外圧を使って変えるんだ」と、平気でそういう事を言う論者が、特に元官僚とか、政治家でも評論家でも居るのに、普通の国だったら、「何言ってるんだ、人を馬鹿にするな」、それこそお決まりのセリフで「国民を馬鹿にするな。民主主義を否定するのか」という反応がある筈なのに無い!

「そうか、外圧がないと日本は変えられないな」と平気で言うんですけど、そんなに国際化してグローバル化したいんだったら、一番みっともないセリフがそれなんですよ。「日本は外圧がないと変えられないんです」って言った瞬間に国際的には誰も尊敬してくれない訳ですね。だから国際化したいんだったらその外圧を使わないと日本を変えられないってのをやめてくれってのもあるし。

もう一つは、英語を使えとか国際化しろとか言う連中が「日本人は議論が出来ない。議論が出来る様にならなきゃいけない」と。でも全然議論出来てない訳ですよね。TPPやワンフレーズ・ポリティクスが典型ですけど、開国か鎖国かとか、郵政民営化が改革の本丸とか、抵抗勢力がどうとか、改革に賛成か反対か…そういう形で議論をやめてしまった状態で、本当に議論出来ない訳ですよ。

でも、国際化して多様な個性を尊重しましょう、議論しましょうと言うんだったらやってくれよと。全然出来てないですよね。

施光恒さん

外圧によって日本を変えなければいけない、TPPによるショックで農業を改革しようとか、最近はもう一つ形式化された言葉が出てきて、国際公約と良く言いますよね。これは民主主義の観点から非常に問題ではないか。国内ではきちんと議論しないで先に海外で約束してしまう。それを既成事実として、国内では国民の声を聞かずに決めてしまおうと。こういう問題って段々増えてきてると思うんですよね。国内の民主主義よりも自由貿易協定が優先されるとか。ですからグローバル化の時代に於いて、民主主義というか国民主権との対立の問題が非常に大きくなってきていると思うんです。

西部邁さん

世界政府は存在しないし存在してもいけない。実際には国際連合ですよね。小沢一郎氏がインチキ・トンチキだと思ったのは、簡単に言うと彼の防衛論が皆そうなんだけど、まず国際連合・UNってものがあり、そこで決められたルールを第一のルールとして国内で受け入れる。でもね、国連って何かと言ったら天から降りてきて我々を超越したものじゃない。各国の代表が集まってる訳だ。しかも安全保障理事会は米国を中心とした第二次世界大戦の戦勝国が安保理を握っている。

国連は各国代表の集まりだから国家が国益を主張し、意見や方針を述べて、最終的には多数決みたいなもので決まる。最初に国際公約が有る訳じゃない。戦いと同時に若干の調整もあるから利益の戦いの場とは思わないけど…、でも何れにしろそう言う場所なんですよ。

柴山桂太さん

今の話は国内でも起こっていて、議会は国のいろんな立場の人が集まり話し合って国の方針を決める。でも今は決められない。民主党は全然ダメな訳なんです。予算にしてもあれもこれもと言ってるうちに膨れ上がり、自分達で決められないからどうするかというと、事業仕分けでしたっけ。要するに議会の外側でマスコミ入れてワンワンやってあれを切りましょう、これを切りましょう。自分達が決められないものを全部外に投げて多数決、若しくはムードで削ったりする。

西部邁さん

一兆円欲しい時に、削って削って高々100億円見つかったみたいな。そういう馬鹿な事をみんな喜んで報道してるんだよね。

パート4に続く

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