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藤井聡さん神動画『日本経済を混迷に導く五つの誤謬』2012.2.22参院

お薦めの神動画。藤井さんの発言全文と資料を纏めました。(一部関西弁を標準語に直してあります) ※質疑応答の部分を別途まとめました(3/16)

参議院:国民生活・経済・社会保障に関する調査会(2012.2.22)
藤井聡さん(参考人 京都大学大学院工学研究科教授)

※資料
公述資料:内需主導の経済成長と外需も含めた経済成長について(2012.2.22)

知っていて嘘をついたマスコミは勿論責任重大だけれど、それを鵜呑みにして簡単に流され大騒ぎする国民にも問題ありますね。この記事をご覧になった方には、 西田さんの講演記事中野さんの記事も是非ご覧頂きたい。


成長論、二つのパターン

京都大学の藤井聡でございます。
本日は斯様な機会を頂戴致しまして誠に有難う御座います。本日、頂戴致しましたタイトルが「内需主導の経済成長と外需(輸出)も含めた経済成長について」ということで20分程お話しさせて頂きたいと思います。

まず最初にこのスライドをご覧戴きたいと思います。こちらにはパターンA、パターンBと書かせて頂いて御座いますが、こちらは成長論の二つのパターンで御座います。パターンAをご覧頂きますと。読ませて頂きます。

パターンA (「改革・貿易」成長論)

日本は貿易立国で、少子高齢化で内需の拡大はもう望めない。
だからもう外に打って出るしか、経済成長はできない

また公共事業の効果(乗数効果)は既に小さく、また、借金で日本政府は破綻寸前である
だから、デフレ脱却のためにも、構造改革と自由貿易推進による、成長戦略が必要である。

これがパターンAで御座います。タイトルとしては「改革・貿易成長論」と、そんな風に言えるかと思います。これとは又、趣の違ったパターンBの成長論が御座います。読ませて頂きます。

パターンB (「財出・金融緩和」成長論)

デフレの原因は「需要不足」であり、これを埋めるためにも日銀による金融緩和と政府による財政出動のワンセットの取り組みが不可欠である。

一方、日本の国債は大半が国内で消化され、かつ、全て円建てなので国債の発行にそれ程大きな支障はない。

だから、国債による資金調達で大規模な財政出動を行うと同時に、大規模な金融政策実施し、デフレ脱却、そして財政健全を果たすべきである。

これは要するに財出と金融緩和をやって、それを通じて成長しましょうというパターンで御座います。 経済理論をよくご存知の方は、この2つの議論が有る事はご存知だと思いますが、どちらのパターンを支持されるか、ということを考えますと、多くの国民を含めまして、恐らくはパターンAを支持するという状況にあるのではないかと思います。
真実は少数派にある?

何故かというと過去一年間、新聞(大手5紙)の社説の中で経済を取り扱った851本を分析したところ、パターンAとBの占める割合が9割を超えている。それ以外のパターンは殆ど見られない。それ以外のパターンというのは要するにエネルギー問題をどうする、雇用確保をどうするとかの一般的な話であって、大半はパターンAとBが占めてそれが9割なんですが、ご覧の様に88.3%がパターンAで御座います。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p3

要するに構造改革をやって自由貿易を推進したら日本の経済は良くなりますという話が88%を占めていて、何とパターンBの――経済理論では当然ながら在る理論なのですが――このパターンBは、たった1.7%。1年間かけて15本しかないという、殆どギャグの様な差が御座います。

この様な世論環境・マスコミ環境で御座いますから、多くの心ある国民も含めてですね、パターンAを支持するのは致し方無いという風に思います。しかしながら、これは当然で御座いますけれども、多くの人々がどちらを支持するかという事と、それと真実はどちらにあるかという事は別であります。世論、或いは学界の定説も含めて、そういう世論と真実は一致しているとは限らない、というか、おおよそ京都大学では『真実は少数派にある』という教えを色んな先生方から伺って御座いますので、あんまり88%もの人が同じ様な事を全体主義的に言っていると「一寸何かおかしいんちゃうか」という風に思うというのが、これが我々学者と言いましょうか、真実を追究する人間の態度で御座います。

ということでパターンA・Bを考えますと、パターンAが兎に角良く支持されている訳でありますけど、どちらが正しいかという事を少し考えたい、というお話を今から致したいと思います。

どちらが正しいかという事を考えるにあたって、事実とパターンA・Bどちらが整合しているのかを考えるのが全ての出発点であります。それを考えたところ、残念ながらパターンAには、基本的な、極めて深刻な過ち、誤認、誤謬というものが存在しているということが、私共の色々なデータ分析から明らかになっておりますので、それをご紹介したいと思います。

日本経済を混迷に導く五つの誤謬

誤謬その1.少子高齢化で内需の拡大は望めない

まず『経済改革・自由貿易推進で経済成長論』にみる、誤った認識のその1でありますが。良く言われるのが「少子高齢化で内需の拡大は望めない」という事は、そんじょそこら、そこらじゅう、居酒屋であろうが、喫茶店でも何処に行っても、電車に乗ってても何時もこんな話ばかりよく聞くんですけれども、これは滅茶滅茶間違いであります。

どういう風に間違いかというと、まずですね、ドイツやロシアは少子高齢化しているが残念ながら経済成長してるんですね。ですから少子高齢化だと経済成長出来ないというのはそもそも事実と反しています。しかも、理屈で考えましても、仮に人口が1%とか2%とか過激に減っていったとしても、一人当たりのGDPが3~4%伸びればそれでチャラで経済成長出来る。一人当たりのGDPが伸びるという事は、普段はいつも餃子を食べている人が、もう一寸良い物を食べる様になったら、それだけで一人当たりのGDPは伸びる訳であります。

どんどん安い物ばかり食べる様になっているから一人当たりのGDPが下がっていくという事もあって、それでデフレになっているという話ですから、少子高齢化をすればデフレになるという圧力が存在するという事を、僕は否定はしないですが、だからといって経済成長が望めないというのは、真っ赤な、真っ赤な嘘であるという事がまず第1点、指摘しておきたいと思います。

誤謬その2.日本が経済成長するには外に打って出るしかない

第2でありますけども、日本が経済成長するには外に打って出るしかない。もう去年一年間の新聞を散々分析して、散々何度も読み返しました。こればっかり言われていましたが、完全な事実誤認であるということをまずご紹介したいと思います。

そもそも、日本の貿易依存度・輸出依存度は諸外国の中でも取り立てて低く、典型的な内需主導経済なんです。これは後ほどデータとしてお示ししますが、9割近くが内需であります。とはいいながら1割強の輸出の部分があるんですが、それが伸びる事を通じて経済が成長する事だって当然ながらあり得るんですが、それは2008年迄の、リーマンショック迄ならば、それは容易であったかも知れませんが、現在リーマンショックで、しかも欧州もえらい事になってますし、中国のバブルがいつ崩壊するか分からない状況になっていますから、我々が作ったものを買ってくれる大金持ちが、外国に仰山居るとは到底考えられない、と言う状況に2008年以降なっている、という事であります。

しかも、しかも、しかもしかも今は強烈な円高です。この状況で外に打って稼ぐということは、不可能とは云いませんが極めて厳しいというのは火を見るよりも明らかであります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p8

この1点目の内需主導型の経済という部分でありますが、統計を見ますと内需と外需の棒グラフを見ると一目瞭然で御座います。7倍の開きがあります。逆に言うと外需が不要とは言いませんけど、仮に外需がゼロになったとしても内需が1割強伸びれば、その部分は保証できる訳であります。逆に言いますと外需が倍になった所でGDP全体は10%~11%しか伸びない、20%も伸びない。ところが内需が2倍になったらGDPは殆ど2倍になる。効率的に経済成長を果たすという事を考えるならば、どう考えても、どう考えても内需主導でやるという事が効率的であるという事を申し上げたいと思います。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p9

国際比較でありますけども、TPP関係10カ国の比較でありますが、ご覧の様に輸出依存度というのは世界最低水準でありますから、この様な内需主導の国家の経済成長を考えるにあたって、外需ばかりを言うというのは完全な誤謬・誤りであるということをまず皆様にご理解頂きたい。

誤謬その3.日本政府の破綻はそこまで来ている!

3つ目。これもまた良く言われます。「日本政府の破綻はそこ迄来ている!」 破綻する事は無いとは、私は申し上げませんけれども、危ない危ないと。それは外を歩いていたら何か飛行機が降ってくるかも知れませんし、何か大きな隕石が当たって死ぬかも知れません。そりゃ安全なんて事はないので、何が起こるか分からないんですけれども、そこ迄心配するものかどうかとういう点は、冷静に考える必要がある。

残念ながらこれも誤った、深刻な誤謬であって、先ず第1点でありますけれども、日本国債は全て円建てであるという点から考えますとギリシャと全然違う訳ですね。ギリシャと日本とどう違うかと言えば、ギリシャが借金したのはユーロでありますから、ギリシャ政府は残念ながらユーロを刷る権限を持たないんです。しかし日本政府と言いましょうか日本国家はそれを持っているという点であります。その点に於いてギリシャと似ているのは、実は夕張なんですね。夕張は経済が破綻する時に、中央銀行を持たないのでそれを耳を揃えて返す時に金融政策を打つ事が出来ないのであります。ところが日本は金融政策を打つ事が不可能では絶対にないという点で、全くギリシャと違うということを多くの国民は看過しております。

第2点でありますが、良く言われるのが、1点目をご存知の方も良く言われるのは、投げ売りがあった時に日本経済は大混乱に陥る、という訳でありますけれども。当然ですが東電の事故があった時に株が投げ売りになった、それで暴落したという事は有るんですけれども。東電には残念ながらアコードをする様な中央銀行は付いていないんですが、日本政府の場合は中央銀行というものが存在しているという点が全然違います。従って一つのオペレーションとして投げ売りがあったとしても、投げ売りされた物を日銀が買い支えるという事が決して不可能ではありません。

これをするかどうかは別でありますが不可能ではない。しかもそれは、するようにすることは国家として常識であります。FRBだって何処だってそれは当然ながらやるのであります。しかもその時に、深刻な投げ売りで、それを日銀が全部買ったらハイパーインフレになると言う事を仰山言われるのですが、
「なに言うてはんのやろ?」と思います。

そもそも1000兆円しか無い訳であります。1000兆円の全てが売りに出されるという事はありません。私の知り合いの証券会社の方々にアンケートを取って「最大何割投げ売りされると思いますか」と聞いた時に、一人だけ100%という、良く分からない人が居ましたが、99%の方は2割か3割が関の山だと仰ってました。2割か3割という事は200兆か300兆となります。200兆か300兆の金融緩和というのは実はFRBがやってる金融緩和と殆ど一緒なんですね。あれは、米国というのは意図的にXデーを呼び込んだようなものであって、実はそれでデフレ脱却のひとつの重要な契機になるという事すら考えられる訳であります。

何れにしても今は深刻なデフレでありますから、仮に投げ売りがあってそれを日銀が全て買い支えたとしても、深刻なインフレになるとはどう考えても考えられないというのが、これ市場の判断であります。

しかも9割以上が日本国内の投資家であって、しかもその9割以上の投資家の中の半分、半分とまでは言いませんが多くの割合が政府系金融機関でありますから、そももそが投げ売りのリスクはさして高くない訳であります。投げ売りのリスクがゼロだと言ってる訳では無いですけれども、高くないということであります。だから市場の判断は、国債の金利というのは非常に低い水準をずっと漂っているという事であります。

従って日本政府の破綻がそこ迄来ているというのは、全くデータを知らないか、経済理論を知らないか、或いは知っていて嘘をついているか、その3つの内のどれかであります。

誤謬その4.公共事業はムダ、景気対策としての効果薄

さて4つ目の誤認でありますけど、「公共事業は無駄であって景気対策としての効果は薄い」

これもまた20年位散々言われているんですが、滅茶滅茶これも間違えています。第一に皆さん冷静に成って考えて下さい。首都直下型地震が来るかも知れないと言われていて、しかも東海か東南海か来るかも知れないと言われていて、しかもインフラの老朽化が激しいと言われていている時、どう考えても首都の防衛とか、国土の防衛の為に――無駄な公共事業が無いとは言いませんけれども――必要な公共事業は山のようにある訳です。必要な公共事業、無駄な公共事業をやるんじゃなくて、必要な公共事業を選んでやればいいというだけの話なんです。これが第1点。

第2点、乗数効果が低い低いと言う人が多いんですけれども、インフレの時は低くなる可能性があります。なぜなら政府がそれをすると民業圧迫というのが起こるというのがあって――これをクラウディングアウトと言いますが――それが起こって公共事業の経済刺激効果が低くなるかも知れないんですが、今はデフレーションなのでクラウディングアウト、即ち民業圧迫が起こらないので政府が幾ら仕事をやってもそれで民間の仕事が減るという効果は殆ど、殆どというか非常に低い訳なんです。

クラウディングアウトというものに関しては、経済理論、経済学科でも良く議論されるんですけれども、それはもう海外に於いては無いという事がほぼ定説になっております。しかも、しかもですね。2008年を迎えた米国のスティグリッツとかクルーグマンら経済学者は、それまではマネタリストで金融緩和だけやったらデフレ脱却出来ると言っていた人ですら、2008年以降は「いや、スンマヘン。間違えてました。やっぱりガンガン公共投資・財政出動をやらなかったらデフレ脱却できませんねん」という事を、まぁ関西弁ちゃうと思いますけど、スティグリッツとかクルーグマンとか、言ってる訳です。その助言に従って米国は何と――為替レートの変換の仕方にもよりますけど――400兆の政府支出の拡大を行っているのであります。それがあって漸く、今の米国の景気の底支えがなっている一方で日本は、それをやらないといけない所で『コンクリートから人へ』で削っているんですから、そんなもん、「景気が良くなるはず無いのにな~」と学者として思います。

で3番目でありますが、デフレの今の公共投資はデフレ脱却の切り札である、という事は又後でご紹介したいと思います。

誤謬その5.規制緩和で,経済成長を!

5つ目。これも是非、国会の先生方、日本国民皆さん含めて、是非この5つ目の誤認も解いて下さい、今日から。この瞬間から皆さんこの勘違いをやめて下さい。規制緩和で経済成長。規制緩和で経済成長する事はありますけれども、しない事もある。或いは経済が停滞するという事も有る、という事をお話ししたいと思います。

最も深刻な誤認であって、今はデフレであります。デフレとは何かというと、供給過剰であります。需要と供給があって、供給が多いからデフレになってる、これは常識であります。で、規制緩和というのは供給を増やす事です。一番典型なのはタクシーです。タクシー業界というのは需給バランスをちゃんと保つ為に規制があったんですけれども、規制が緩和で無くなってしまってタクシーの台数がごっつう増えてしまって、今はもうドライバーさん一人当たりの給料物凄く減っているんです。デフレが一番激しい沖縄なんていうのはドライバーさん一人当たりの給料、これホンマですよ、90万円を切っているんです、年間所得が。それぐらいまでにデフレーションが深刻になって、しかも給料が、国民所得が下がっているのは規制緩和をやったからなんです、このデフレの状況下で。インフレの時には規制緩和という事をやってインフレ不況を抑えるということは必要なんですが、その真逆のデフレの状況に於いての規制緩和は絶対やってはいけなかった。にも拘わらず過去15年間やり倒した訳であります。それが日本のデフレーションの重要な原因であると言う事を全員の、国会議員の皆様方に是非理解して頂きたいと思います。

デフレによる「経済力衰退」のメカニズム

もう少しデフレについてご紹介したいと思います。デフレというのは今ご紹介しました様に需要と供給のインバランスであって、ご覧の様に供給の方が多いと。供給の方が多いという事は要するに牛丼屋さんで、昔は吉野屋しかなかった所へ松屋とか何とかが増えてきて仰山お店が増えたら値段が下がりまんねん、という話であります。そうなると値段が下がると各企業の収益が下がります。各企業の収益が下がると、各企業の投資意欲も下がるし、更に所得も減る訳であります。したがってお金が無くなっていくので皆お金を使わなくなります。皆お金を使わなくなるので結局需要が更に減ります。そして需要が更に減ってそれを通じてデフレギャップが更に広がります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p13

ここまで来ると「いやん、こんなん商売やってても何か先行き不安やから、えらいこっちゃ」とみんな思います。そうなるとどんどんどんどん投資をしなくなります。先行き不安でどんどん投資をしなくなる。そのうち何が起こるかというと、これだけデフレギャップがあると、余ってる店が一杯有るという事ですから店が潰れていくんです。企業が潰れていくんです。企業がこうやって潰れていく、要するに供給量が減っていく、企業が潰れると失業者が出ます。彼らはあまりお金を使う事が出来ません。投資もできません。従って更に需要が減ります。こうやって物凄いえげつないスパイラルがどんどん廻って日本のGDPがどんどん下がっていく訳であります。

ちょっと失礼します。
はい、頑張って今から又話しますけれども。

「デフレ脱却」のメカニズム

このデフレギャップが存在してるが故にデフレになっているという、教科書通りのお話であります。これを防ぐには一つしか方法が有りません。これ以外に何の方法もありません。デフレギャップを埋めるんです。需要と供給のバランスを保つんです。これをすると皆さん国民の所得が守られ、各企業の収益が守られるんです。給料も下がらないし収益もちゃんと有れば経済というのは成長していくんです。従って次の年に履かさないといけない下駄の高さは低くなります。これをちゃんと、下駄を履かせて所得を守っていくと、どんどん経済は、3年ないし5年位でですね、ちゃんと回復すると。これがデフレ脱却の唯一の方法であります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p14
デフレを「悪化」させるには…

ということで逆に言うとそうやるとデフレが脱却出来るんですが、とある三つのことをやるとデフレが悪化すると言う事が理論的に演繹されます。

一つ目。規制緩和。これは先程申し上げた通り、需要と供給でデフレギャップを埋めなければならないのに、供給が増えて更にデフレギャップが広がる訳です。

二つ目。折角下駄を履かせる為に公共事業をやっているのに、公共投資を削減したら下駄が無くなってデフレギャップが広がるんです。

三つ目。そもそもの需要というものが有るんですが、消費税を上げるとこれが縮むんです。

従ってこの3つを同時にやればデフレギャップは更に広まってどんな立派な国民経済、どんな立派な国民が居たとしても、その国は完全なデフレに陥ります。これらすべてを90年代の後半から、この国はやり倒しおった訳であります。やり倒したのでデフレが悪化しない訳がないのであって、しかも現政権下に於いてもこれを更に更に続けようとしている訳であって、「殺す気か!」という話であります。「何してくれてんねん!」というのが私の主張で御座います。

一点だけで御座いますけれども、ご覧の様に全ての国がみんな、インフレで普通の国が公共投資を2倍、3倍に膨らましている中で日本だけは半分にしているのであります。デフレの国でこんなに減らして「そりゃデフレになるわさ!」という話で御座います。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p16
デフレが我が国にもたらしたもの

この大間抜けな経済政策の、この三連荘が、何をこの我が国にもたらしたかというと、2000兆円から4000兆円規模の大大大損害であります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p17

どういう事か。これが名目GDPの推移なんですけども、ご覧の様に日本以外は全部経済成長しています。中国だけでなく欧州も米国も全部成長しているんですが、97年の構造改革、色んな規制改革等々をやった時からですね、日本は増税等々してデフレになりました。ご覧の様に日本だけ経済成長出来なくなって、この間に公共事業は削るわ、構造改革はやるわ、コンクリートから人へは言うわ、滅茶滅茶やっている訳であります。こんな滅茶滅茶な事をやったらそりゃ経済成長する筈あるかいな、ちゅう話であります。

で、そんなアホな事せんと、ちゃんと普通の大人の国家としての経済政策を行っていたらこれくらいは行っていた筈なんです。これはどういう事かというと、経済成長の世界平均で推移したら何と日本は1200兆円位のGDPになっているんです。当然ながら多くの論者は、「いやいや日本は成熟社会だからそこまでいかないよ」という人も居るでしょうから、まぁまぁ渋々1/3しか成長率が無かった場合も計算しましたけど700兆か800兆くらいのGDPにもなるんですよ。とすると、普通にやっていれば4百何十兆という話じゃなくて、普通に、どんだけぼちぼちやってても700兆か800兆のGDPが有った筈なんです。

問題はこの斜線部分であります。この斜線部分は何かというとへんてこりんな経済政策をやってしまった事によって我が日本国民がどんだけ損したかという話であります。これ、全部計算すると2008年だけで2000兆円損してると。平均シナリオの場合は4000兆円損してる。2011年ですから5000兆円行っている位の話であります。

こんなことをやっていると、5000兆円あれば借金は返す事ができるわ、リニアなんて2、3本作る事が出来るかも知れませんし、場合によっては社会保障だって物凄い良い病院だって作る事が出来るかも知れませんし。

しかもその1200兆円の国が有ったらアジアとか米国とかソ連(ロシア)とかに「あの国、ちょっとヤバイな」と思われるでしょう。475兆円じゃ「ちょっとショボなりよった」と思われる事があって、要するに国際的な地位が凋落している訳であります。

それを一言で言いますと、つまりデフレは日本経済力の凋落とか、必要国民所得の減少の直接的原因であるのみならず、財政悪化――これはまた後ほど申し上げますが――円高の原因にもなっているし、外交力の低下にもなっているし、必要な公共政策の未実施(防災・国防・教育・社会保障等々)に繋がっている訳であります。

しかも、これだけデフレだったら子供を作らなくなります、国民は。人口減少、元々人口減少の傾向があったのが更にドライブさせられて、しかも社会保障費も増加している訳であります、失業者が増えていますから。

ということで、今国会の先生方が色々ご議論されている全てと言ってもいい位の殆ど問題の背後にデフレというものが有るんです。だからデフレの脱却こそが、日本を救う為の最大の政治課題であるということを先生方にご理解頂きたいと思います。

国民総勘違いデフレ不況

今迄の話を一寸纏めますとですね、公共事業は無駄だとか、規制緩和で経済成長をしろとか、そんなことばっかり言ってる訳です。しかもそれは大手新聞社の88%が毎日毎日それを言っている訳であります。そうしたら国民が「あ~、そうなんかなぁ」と思う様になる訳です。したがって今の日本のデフレというものは『国民総勘違いデフレ不況』なんですね。全員が、国民が勘違いして、何かやったらアカンことを、火事に油を蒔くわ、傷に塩を塗るわ、そんなことをやっていてですね、勘違いして、それをやったら良いとか思ってこんな事になってしまっている訳です。是非この勘違いを是正頂きたいというのが私の強い願いで御座います。

重要なのはどのタイミングで何をやるかということ

ただし、私が今申し上げるのは、構造改革が駄目だとか、公共事業が必要だと言ってますけれども、私が申し上げているのは、構造改革が常に×で公共事業が常に○だということではありません。絶対そう言う事はありません。それは構造改革が常に○で公共事業が常に×だとか今の日本がやっている事と、殆どというか、全く同じ程に愚かしい事であります。

重要なのはどのタイミングで何をやるかという事であります。重要なポイントはインフレ期とデフレ期でやるべき対策というものを別けるべきだというです。インフレ期はそもそも需要が多くて経済が「あちー、あちー、熱ぅ~」みたいな感じになっている時であります。そういう時は「熱ぅ~」ってなっているので冷ましたらいいんです。

逆にデフレの時というのは需要が少なくてなんかもう、「ぬるぅ~」「冷た~」なっているんで、経済を暖める対策が必要なんです。だからインフレの時には冷ます必要ですから緊縮財政が必要なんです。一方でデフレの時には積極財政が必要なんです。もうちょっと細かく言うと、インフレの時は政府出動を削ったり公務員を削ったりするのが良いんですけど、デフレの時には政府出動を拡大したり、公共の、公的な雇用を拡大する必要があります。

更に、インフレの時には増税が必要ですけど、デフレの時には投資減税なんかが必要になるんです。更にインフレの時には規制緩和というものが必要になりますが、デフレの時にはそれは絶対にやっちゃ駄目で、逆に雇用の保護なんかが必要なんです。

更に貿易で言うと、インフレの時には自由貿易を更に推進してですね、舶来物なんかを一杯輸入する事が必要なんですが、デフレの時にそれをやってしまったらデフレが更に悪化してしまうので保護貿易こそが求められているんです。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p21

従ってインフレの時に必要な事と、デフレの時に必要な事を奇麗に別けて頂きたい。これは日本中の、全員の経済学者に理解頂きたいと思います。

これ、ひとつの例でありますけれども、私がいつも検案している所の、宍戸俊太郎先生という元経済企画庁の先生が元経済企画庁にあった、ちゃんとしたモデルを使って計算した所、私が申し上げて居る様なことを250兆円規模でやると10年後に874兆円程度のGDPになるんじゃないかという事を計算されています。そのあたりことは昨日発売になりました『救国のレジリエンス』の本の中で紹介して御座いますので、今度それをご覧いただければと思いますけれども、詳しくは。

救国のレジリエンス:藤井聡(著)

さまざまな外的なショックに対する日本の驚くべき対応力を意味するもの。この対応力こそが、「レジリエンス」(resilience)。日本を救い続けてきた、この「レジリエンス」――柳の枝のような「しなやかな強靭さ」をさらに磨いたとき、GDPは2倍になる。

いずれにしてもきちんとした経済対策を打てば我が国は幾らでも経済成長出来るという事をご理解頂きたいと思います。

恐慌を突破する逆転の発想

最後に外需の獲得でありますけども、要するに内需を拡大すると、僕らは仰山物を買う様になります。物を買うという事はドルを買う、円を売ってドルを買う様になります。円売りドル買いが仰山進むので円安になります。円安になると――何と内需を拡大すると――輸出産業も拡大する事になるんです。ええ事ばっかりという事であります。

ですから内需を拡大する事こそが、輸出産業の為にも必要だという事もおまけで一つ申し上げておきたいと思います。

最後で御座います。学会・マスコミ・世論の全てを巻き込んだ日本の思い違いによって、デフレ不況になっている状況から、抜け出す為にはレジームの大きなチェンジ、『レジーム・チェンジ』、大きな大転換が必要であると。AからBへの転換、貿易とか改革成長論とかから、財出とか金融緩和成長論に対しての大きな、それに向けて大きな大転換が必要であると言う事を申し上げたいと思います。

デフレ脱却、本格的な国土強靱化、世界恐慌対策。それらが全て求められているこの2012年に、是非ともこの大きなレジーム・チェンジを先生方のお力で、何とかして頂いて、日本国民を救って頂きたいと思います。

以上で御座います。




藤井さんの話にもありましたが、公務員新規採用減の方針は明らかに間違っていますね。日本を悪くする方向へまっしぐら。もうどうしようも無い人達です。

身を切ることが不可欠…公務員新規採用減で首相

政府の行政改革実行本部(本部長・野田首相)は6日午前、国会内で会合を開き、2013年度新規採用の国家公務員数の上限を09年度と比べ、4割超削減する方針を決めた。

12年度比では2割超の削減となる。政府は今月中をめどに各府省の具体的な採用計画を策定する。

新規採用の抑制は、民主党の09年衆院選政権公約(マニフェスト)に明記された国家公務員総人件費の2割削減につなげるものだ。行政機関のスリム化で、消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革への国民の理解を得る狙いがある。

首相は会合で「一体改革を実行する上で、自らの身を切ることが不可欠だ。国民に分かりやすい成果を出す必要がある」と削減に強い意欲を見せた。
読売新聞 3月6日(火)13時5分配信

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