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藤井聡さん「デフレ対策をしないと本当に死にまっせ!!」

一つ前の藤井聡さんの記事にあった調査会ですが、あれは前半の参考人の意見部分のみの抜粋であり、その後に出席議員からの質疑と参考人の答弁があって、実際にはトータルで2時間半を超えるものでした。

今回は、質疑及び答弁(動画の47分~)から藤井聡さんの答弁を中心に纏めました。デフレの問題と危険性を強く訴える藤井さんと、認識の甘い一部議員がとても対象的だったと思います。ちゃんと聞いてないのかよ!と…。


※藤井さんの答弁(冒頭の意見陳述除く)だけを繋いで48分の動画にしました。それでも充分長いとは思いますが議事録と併せて是非ご覧下さい。3/17UP
【ニコニコ動画】藤井聡さん「デフレ対策をしないと本当に死にまっせ!!」

第180回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第2号
平成24年2月22日(水曜日)


会長:鴻池祥肇
理事:金子洋一、西村まさみ、関口昌一、義家弘介、秋野公造、寺田典城
委員:梅村聡、尾立源幸、小西洋之、小林正夫、斎藤嘉隆、高橋千秋、広田一、牧山ひろえ、安井美沙子、吉川沙織、石井準一、岸宏一、中原八一、牧野たかお、三原じゅん子、山崎力、竹谷とし子、川田龍平
事務局側:近藤俊之(第二特別調査室長)
参考人:藤井聡(京都大学大学院工学研究科教授)
   :櫨浩一(株式会社ニッセイ基礎研究所研究理事・チーフエコノミスト)
※敬称略

尾立源幸議員(民主党)の質問要旨
①年間20兆円規模の公共投資を建設国債で賄ったとして最終的な財源をどうするか。
②デフレ下での乗数効果について

参考人:藤井聡さん (48:57~)

どうもありがとうございます。

では、財源の方からお話ししたいと思います。

財源にはおよそ三つほど、ないしは三つないしは四つの財源があると思います。一つは、このスライドを少し御紹介したいんですが、こちらのグラフを御覧ください。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p29

これは民間銀行の借りている、民間銀行の預金と、それから民間銀行が誰かに貸しているお金のグラフであります。下の方が預金であって、デフレーションになってから預金はどんどんどんどん大きく増えていっていると。これは、家計もそうですし、先ほどのお話ですと法人も含めてとにかくみんな貯金をするようになっていると。その一方で、投資の意欲が全然デフレになると湧かないので、誰も借金をしなくなって貸出金が、銀行が民間に貸すお金がどんどん減っていると。

デフレになる前はこの貸出金と預金というのが均衡していたんですが、残念ながらデフレーションになって、みんなお金を預けるけれども、みんなお金借りなくなってくるので、どんどんどんどん銀行にお金がだぶつくようになって、この時点で166兆円、今日時点だと170兆円規模になっているんじゃないかなと思いますが、ここに余ったお金が一つあると。このお金を建設国債を発行することを通じて吸い上げて、それで、これは経済用語で言うと還流というんですけれども、使っていくというのがあります。これが一つ目の財源であります。

ところが、これはかなりの部分、今、この166兆円ないし170兆円の部分というのは既に建設国債、国債に化けているところがあります。したがって、これをずっと続けていると、そのうちこれ原資がなくなってきます。実は、これは民間銀行だけではありません。例えば保険とかいろいろな金融機関にも同じような事情があるんですが、だからといって、100兆円ぐらいやっていると、そのうちそこの民間資金というものも枯渇してくるかもしれないと。そのときに何が必要になってくるかというと、日本銀行の金融政策が必要になってくると。

要するに、国債を、これは民間銀行に国債を買ってもらうわけでありますけれども、民間銀行がお腹一杯になってきたら日本銀行にも買ってもらうようにすると。その辺りはきちんと日本銀行と政府の間で、アコードといいますけれども、いろいろと、きちんとしたアコードというか、要するに話合いをして、日本銀行の買いオペレーションを通して資金を調達していくと、これが二つ目であります。

それをやっていきますと、しばらくこれを続けていきますと資金がかなり市場に回ってくるのでインフレーションになってきます。デフレーションがなくなって、デフレが脱却でインフレーションになってきます。インフレーションになるということは、例えばGDPが500兆か600兆になるということは、単純計算で6/5倍に税収が増えるということであります。実際は、税収というのは累進性というものがあって、累進課税とかの問題があって6/5倍以上に伸びます。あるいは、法人税というのは全然払っていない企業が7割ぐらいいるわけですけれども、これが払うようになるのでGDPの伸び以上に伸びます。これが三つ目の財源であります。すなわち、経済成長を通して、税率を上げなくったって税収が増えていくと、これが三つ目であります。

四つ目はどこにあるかというと、そうなっていくと、これがうまくいくと、大体ここまで来るのに百数十兆円僕は掛かると思います。マクロ計算、マクロシミュレーターモデルのいろいろな計算方法があるんですけれども、百数十兆円でここぐらいまで何とか来るんじゃないか。こうなったときに、場合によっては、例えばコアコアCPI(※)という一つの尺度で、要するにインフレ率が4%とか5%がしばらく続くようになるかもしれないと。そうなると、インフレ不況の危機に我々は対処しないといけなくなってくると。

だから、このときに、先ほども御紹介したような、経済というのが温かくなり過ぎているので、それを冷ますための消費税増税を行えばいいんです。

この消費税増税を行うと更に税収が増えるので、これが四つ目の財源になるということで、ここまで考えれば、例えば100兆とか200兆の水準が調達できないということは絶対にあり得ないと私は学者として断定しておきたいと思います。

※注
CPI:消費者物価指数(Consumer Price Index)
コアCPI:生鮮食品を除いたもの
コアコアCPI:食料(酒類を除く)及びエネルギーを除いたもの
参考:「総合CPIとコアコアCPI」

え~っと、それと、もう一ついただいた御質問が何でしたっけ。

尾立源幸議員「乗数効果。乗数効果」

ああ、そうですね。乗数効果ですが、一つは、クラウディングアウトがないというのが一つであります。

もう一つは、実は、通常の乗数効果という言葉の中には、色々と定義にもよるんですけれども、ほとんど今議論されていないものがあって、今公共投資をガンとやらないと、どんどんどんどんデフレギャップが埋まらないでGDPが下がっていくと。ところが、ガンとやるとデフレギャップが埋まると。一旦デフレギャップが埋まれば、それで景気というものはパッと上手いこといくんですね。

これは、ちょうど今その研究をやっているんですけれども、デフレ期とインフレ期でマクロシミュレーターのパラメーターというものが全然違うんです。これ、要するに、期待が変わったりとか、デフレのときに何ぼ投資しても、何かみんな貯金ばっかりしたりとかという気分の、マインドセットというんでしょうか、そういうものがインフレセットとデフレセットで全然違うんです。それが、スイッチが切り替わるんですね。

ガンと大きく入れて、しばらくそれをトントントンと、全治3年か5年か分かりませんが、それをやっていくと、マクロシミュレーター的に言うとパラメーターが変わる、すなわち世の中の経済の流れ方が変わるんです。それが莫大な乗数効果を生むんですね。通常これは乗数効果と呼ばれていないんですけれども、要するにクラウディングアウトがないというところと人々のマインドセットが変わるという、この二つを併せるともう莫大な乗数効果があると。

通常言われているのは、これ――あ~、あんまり良くないですね――是非覚えて帰っていただきたいのは、内閣府の、今内閣府が持っていらっしゃるマクロシミュレーターの乗数効果は2年目に1を切るという訳の分からないモデルになっているんですけれども、まだ、あっ、もったいない、時間が。すみません。え~っと……。

会長:鴻池祥肇議員「ごゆっくりどうぞ」

すみません。10分以内にしゃべらなあかんのかなと思って。

物凄い大事なグラフがありまして、内閣府のモデルがちょっと挙動が不審であるという証拠がありまして、その証拠をちょっと御覧に入れたいなと。すみません、使い方が良く分かって無くて……すみません、何か変な時間使ってしまって……。この次です、これです。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p35

これは、逆なんですが、公共投資を1%削ると逆乗数効果があって、通常は御覧のように、例えば東洋経済のエコノメートですか、のシミュレーターだと、1%公共投資を削るだけで3.5%以上、名目GDP、これ名目だったと思いますけれども下がっていくと。低いやつでも例えば2%ぐらい下がっていくというのが、2%から3%ぐらい下がる――これは、増やすとこれ逆になるんですけれども――というのが世界中というか、もう普通のシミュレーションモデルの挙動です。

ところが、内閣府のモデルだけ何か、酔っ払ってはるのか何してはるのか分かりませんけれども、これ何か、削ったら伸びとるんですよ、これ。何してんねん、自分、みたいな感じ。これは逆に乗数効果が極端に低いモデルになっていまして、ここは是非是正いただかないといけない。

そういう意味で、乗数効果、通常は大体2から3とかぐらいには5年ぐらいやっていると行くんじゃないかなというふうに思われます。

以上でございます。

義家弘介議員(自民党)の質問要旨
①マスコミは何故パターンAの論調なのか。
②デフレになって当然の政策を政府がやり続けてきたのは何故か。
藤井聡-参院参考人資料-120222 p3
参考人:藤井聡さん (59:38~)

どうもありがとうございます。

そのお答えは、まず皆さんに直接お聞きいただかないと分からない、新聞社に聞いていただきたいというのがまず第一点でありますけれども、推測をいたしますとこうではないかと思います。

これ、何でこういうふうになったのかということについての本も今ちょうど執筆中なんですが、一番大きな問題は学者の責任が僕は大きいだろうと思います。

そもそも、ケインズ政策はケインズが考え出したことですし、新自由主義的なものも、例えばフリードマンが今ドライブしたり、その根幹にあるのは、いろんな経済学者の先生方がおられる。結局、経済の政策というのは、実はアカデミズムの学界の流れに、まあタイムラグがありますけれども、相当支配されていると。

今の日本の経済学界は、本当に、新古典派経済学と言いますけれども――もう少し思想的に言うと新自由主義と言いますけれども――これの影響力が極めて強いです。その影響力は最初の頃はそれほど大きくなかったんですが、そういう大学システムで何年も何年も同じ人がずっと教育をしていると、そのうち助手も准教授も全員その思想になると。そうじゃないと論文書けないということになって、ポジションがなくなっていくと。

そのうちに、そこで、日本で一番優秀な東京何とか大学とか一橋とか何とかと、もう、一個しかないんですが、京都大学とかも含めて一番優秀なやつが、選りすぐりのやつがそこに行って、世間の娑婆の事も何にも知らん奴が勉強だけして、それを徹底的に勉強して、周り見たら大人がみんなそれが正しいと言っていると、それはそれが正しいと思うようになって。その人が何とか省とか何とか省とか、それでマスコミにも入っていくわけです。多くの一流企業のトップにもこうなっていくと。それが90年ぐらいになってくると、おおよそ学者の理屈ばかり、頭でっかちのやつが大体日本の中枢に居座ってきたのがやっぱり90年ぐらいからになってきて。そうなってくると、インテリと呼ばれる人は皆、大体新自由主義的な感じになってきていると。

僕は、その根幹にあるのは、一つは大学がきちんと議論をやらなかったからだと思うんです。僕がここで申し上げているのは、実はケインズの理論と或いはその新自由主義的なものと僕はスイッチをすべきだと言っているんですが――これはケインズの方々は僕は非常にお世話になっているので余りこういうことを申し上げると恐縮ではありますけれども――ケインズの方も含めて、ケインズのことを研究されている方はケインズのことしか知らない。これはもう蛸壺になってしまうところです。新自由主義的な方はこっちしかやらない。それをチェンジするというプラグマティズムの概念というものがこの学界の中にないのでそうなってしまっているというのが僕は大きいんじゃないかなと思います。

ただ、そうはいっても、実は、皆さん御案内の通り、実は色々な、新自由主義というのは大企業が非常に大きな利得を得るという傾向もありますから、その政治資金の流れとかマスコミのスポンサーの流れということは、それが無関係かどうかは僕はちょっと何とも言えません。関係があるのかもしれません。あるいは米国の国益からしても、日本の新自由主義が広まると米国の大企業が入ってこれるということを考えますと、米国の意向というものが大きく関与している可能性は僕は否定はできないと思います。

その辺りのことからこの88%という状況になっているんじゃないかなと思います。

今の学生さんの話でありますけれども、僕が学生ぐらいのときには、やっぱりファシズムかTPPかみたいな感じの、AかCかみたいなことが多かったと思いますけれども、最近の学生さんは本当にデフレでもうええかげんにしてくれみたいな感じが増えているので、もうがっつりとBが――やっぱりちょっと教えないと無理ですけど――もう30分ぐらい問答したら、「それはもうBでしょう、藤井先生!!」と言わないのはやっぱり頭ちょっとおかしい、いや、そんなん言ったら駄目です、いや、何かちょっとどうやろみたいな。だから、普通の脳みそを持っている京大生ぐらいやったら、「それはBでしょう!!」って大体なりますですね。

以上でございます。

竹谷とし子議員(公明党)の質問要旨
①イギリスや米国はどの様な分野に公共事業を増やしたのか。方針があったのか。
②無駄な公共事業を減らし必要な公共事業を行うための方法論はあるのか。
参考人:藤井聡さん (1:13:18~)

どうもありがとうございます。

まずは、諸外国が何でこんなに増やさはったんかということでありますが、まさに今御指摘あったようにインフラ更新に相当のお金を割いているということであります。

この中で米国が一番典型でありますけれども、80年代まで米国もちょうど今の日本と同じような格好で、公共事業はもう沢山造ったから要らないんじゃないかという事でかなり削られてきたところがあったんですが、それ削り過ぎて、ちょうど今の日本と同じようにインフラが老朽化が激しくなって、ちょうどなぜか、何故80年かというと、米国は1930年頃にニューディールの時に沢山のインフラ投資をして、それから50年ぐらいの1980年代にインフラが老朽化したんですけれども、日本の場合は、1960年ぐらいから大きく高度成長をしますが、それから50を足してちょうど2010年ということですから、ちょうど今1980年代の米国と似たような状況にあるんですが。

その意味で、米国はそういうふうにしてきてたんですけれども、そのせいで重要な橋が幾つも落ちてしまって貴重な人命が失われ、橋がなくなると経済が、都市経済というのは極めて深刻なダメージを受けるという問題が多く起こりました。

それで――米国の世論は羨ましいなと思うんですが――それを見て、「こんなんあかんやないか」ということで、「インフラちゃんとお金使わんと危ないやないか」と世論が起こって、それでガソリン税の増税なんかを行ったりしながらかなりのお金をインフラに使うようになっていきました。その結果、米国はこの2倍ぐらいになっていると。米国と同じように諸外国もそういうような状況であると。

更に、単なる維持補修だけではなくて、新しく物を作るんだからより良い物を作ろうじゃないかとか、或いは日本は鉄道先進国だったので日本の鉄道の投資というのは昭和時代にかなり進んだんですけれども、その日本の繁栄を見た諸外国が――もう今や米国なんかも言っているんですけれども――新幹線投資を始めとして鉄道もやろうじゃないかということになる。更にIT機器のインフラ投資とか、新しい産業に対する投資も行っていったと

ということで、メンテナンスと同時に新しい新産業を作っていくと。新産業のためのインフラを作っていくと。何れにしてもインフラをきちんと作っていくという事を諸外国は徹底的に進めたので彼らは経済成長をし続けたということが一点あるのではないかなと思います。

アセットマネジメントも含めて合理的な公共投資をするためにこの国に何が必要なのかというのは、私は、一つ、もうこれが一番大事だと思うことを申し上げたいと思います。それは、合理的な国土計画を立てるべきだということであります。

現代の、あの四全総五全総があって、それから今、国土形成計画という格好になっているんですが、もうはっきり言いまして、五全総の時代までの全総と呼ばれていたものと今の国土形成計画とはもう全く内容が変わっています。単なるお題目ばっかりで、何のもうプランニングにもなっていない。僕は計画が専門でありますけれども、もうこんなもの、「全部ごみ箱に入れて最初からやり直さな」みたいなものになっております。

これをきちんと合理的にこれはちゃんと――市場の論理じゃなくて――これはきちんと、計画というのはインフラ投資とか、これらの国が全部やっているのは、きちんと合理的な計画を立てて――マネジメント、それこそアセットマネジメントをしながら、状況も勘案しながら、しかもプランニングを立てて――やっていくと。その計画部門が今、日本に於いては非常に弱いと。

ですから、防災ニューディールをやられるときに、是非、防災ニューディール基本計画とか、あるいはその上位に位置付けられるところの国土計画、今だったら国土の強靱化の基本計画、そういうものを、それはインフラの投資とか更新だけじゃなくて、ソフト政策も全部含めたものとして合理的な計画をこの国において作ると。しかも、それを単年度主義ではなくて10年とかそういう格好で作っていく必要があると。

何故かというと、日本に於いては過剰に自由市場に委ね過ぎてこの国はこれだけ脆弱化してしまったので、その反省を踏まえてきちんと、資本主義に於いてもきちんと計画というものは全ての国がやっていることでありますから、全て何もかもフリードマンが言うように自由化するのではなく、計画と自由というものをきちんとバランスを取りながら、先生方のお力できちんとした計画を立てていきたいというふうに思います。

以上でございます。

川田龍平議員(みんなの党)の質問要旨
・企業の内部留保をどのようにして使わせていくか
・みんなの党の政策は藤井氏の考え(資料21頁)に近い。
・大手五紙の論調への違和感・内閣府データへの疑問
・介護や保育の分野へどうやって供給を増やしていくか
・若者の外国離れ
・副首都構想、首都移転(岡山?)
参考人:藤井聡君さん (1:26:17~)

それでは、幾つかまとめてお答えしたいと思います。

まず第一点目は、二点目にお話しされましたここの表の考え方ですよね。この表の整理は、これは我が藤井研究室でこういう整理を中野准教授とやっているわけでありますけれども、こういう整理をしている理論というものは殆どございません、いろいろ調べましたですけれども。こちらの人はこちらばっかり、こちらの人はこちらばっかり。それぞれいろんな学者の話を聞いて、これもこれも良さそうだからってまとめてしまうんですが、それするとアクセル踏んでブレーキ踏んだりすることがあるので、是非こういう整理をした上で政策というものを組み直していただきたいと思う。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p21

学者側がこういうのを間違えるのは恥ではありますけれども、先生方は政策というものはトライ・アンド・エラーでやっていただくことでございますから、是非こういうものを参考にしていただきながら経済政策というものをしていただきたいと思います。

今必要なのは温めるという方であるということを申し上げています。これが一点目であります。

二点目の、最初にお話しになった法人の中の内部留保金問題。これの解決の方策は、これは、この状況下で「藤井、何を言っているんや!」と、僕これ言われると思いますけれども、学問的な、歴史的な裏付けがある事として申し上げますけれども、今やるべきは法人税の減税ではなくて増税であるというふうなことを申し上げたいと思います。これは、「えっ、藤井さん、逆やないか!?」と言われるかもしれませんけれども、こうなんです。

歴史的に言いますと、クリントン政権下に於いて、あのときに財政赤字の問題が大きくなったんですけれども、それをやるために当然ながら増税なき財政再建ということで景気対策をいろいろとやっていって、それで成功して最後黒字化するんですけれども、そのときにやっている重要な話が法人税増税なんですね。

通常、そんなことをしたら景気悪くなるんやないかという事になる訳でありますけれども、今、櫨先生がおっしゃったように、この状況下で内部留保金が溜まって、そこに塩漬けになって箪笥預金みたいになるので、これを何とか還流していかないといけないとした時に、法人税の増税をしてそれでお金を――勿論、それは法人税の増税をしてそれを何か子供手当かなんかで配ったら全然意味ないですけれども――これをちゃんときちんとお金が消費か投資に使っていくというのが大事なんですね。

しかしながら、法人税増税をすると気持ち的に何かやる気がなくなるというところもあるので、僕は、これ理論的には正しいかもしれませんけれども、僕は余り声高にはちょっと言えないかなと思うんですが、ただクリントン政権下での成功事例を見ると、理論的には今は法人税増税が必要なんだろうなということを考えると、少なくとも法人税減税は今の状況ではあり得ない話だなということをまず申し上げたいと思います。これが二点目であります。

若い人の――また先ほど消費のお話もありましたけれども――私はこう思うんです。心理学の中で認知的不協和理論というのがありまして、何かある一つの行動の状況とかがあると、それが嫌やっても、嫌やって思っているとやっていけないので、「もうええねん、僕これで!!」って思うようになるんですね。まあ、えらい大雑把な説明ですけれども、こういう認知的不協和理論というのがあって、何で若者が車を買わなかったり海外行かないかっていうと、僕、学生とずっと20年ぐらい付き合っているから分かりますけれども、あいつらめちゃ貧乏なんですよ、昔に比べて。貧乏やから全然物を買えない。だから、「いや、いいねん、別にこれで…」とか言って、「中食でいいねん」みたいになってしまっていて、だから、先ほどもお話ありましたけれども、所得制約によって皆さんの心根がディプレッション、不況になってしまっているんです。逆に、所得制約なくなってお金があるようになったら、もう外国ガンガン行くやつ出てくると思いますよ、スポーツカー買いたいやつ出てくると思いますよ。

ですから、だからこそ、デフレの問題の一つの末端の精神的問題はここにもあると思いますので、逆にこの心を、何か買物をさせて景気対策じゃなくて、因果関係が逆だと、景気対策をきちんとやることを通じて状況を整えれば、若者は、元々若者ですからもうめちゃめちゃ頑張りますよ、いろんなものを買ったり、いろんなところに行ったりとか元々したいんですから。それを出来るためにも、もう是非先生方のお力でデフレ脱却をしていただきたいということであります。

最後に、箱物といいますか何といいますか、大きな巨大なインフラ投資で何が必要かと。これちょっと、手元にこれないのでここで説明させていただきますと、この表紙どうなっているかというと、新しい、僕の今この本で紹介しているのは国土計画のイメージを書いているんですよ。

どういう国土計画を僕はやるべきかと考えてみますと、まず、首都直下型地震が来ます。東京、大阪、名古屋もこれ壊滅的ダメージを受ける可能性があります。そのときに一番の防災対策は、実はそこの土地の防災対策のインフラ投資じゃないんです。ここに住んでいる人々の都市機能を日本海側だとか北海道とか九州とかに分散化させたら、そしたらもうその人ら――まあまあ、そっちで地震に遭うかも、それもちょっと不幸ですけれども、もう確率はなくはないんですけれども――こっちの人はみんな生き残るんです。日本中が生き残っていると、東京、大阪、名古屋がぶっ潰れていても――まあぶっ潰れてほしくないですけれども――ぶっ潰れていても助けに行くこともできますし。或いは全部ぶっ潰れても日本全体はもつかもしれない。だからこそ、今やるべきは日本の国土の分散化なんです。

それと同時に、当然ながら僕は、それぞれの防災対策とか、いろいろと堤防を造ったりとか液状化対策とかは当然すべきですけれども、それプラス分散化をやるべきである。分散化をするときに、国土計画の中で歴史を見ますと、新幹線投資をした町は間違いなく大きくなります。例えば熊本市、政令市になるじゃないですか。あれは新幹線の見込み需要も含めて、もう間違いなく新幹線投資、だから都市間交通の投資をすると豊かになるんです。

だから、ここで赤く書いているのは、新しい新幹線を通したりあるいはリニア新幹線を通したりとか、或いは僕、昨日、秋田に行っていたんです。秋田とかは単線で、もう隣に行くのに3時間ぐらい掛かったりするので、そこを複線化してあげたりとか、そういう鉄道投資とか、あるいは、別な言い方をしますと、工場立地というのがやっぱり必要なんです。工場立地のデータを見てみますと、高速道路が整備されたところは、例外もあるとは思いますけれども、平均的に言って、高速道路を整備されたところは確実に工場の誘致が進みます。これはもう過去のデータが教えるところです。ですから、国土構造の分散化をするためにも、そういういろんな投資をやっていくべきである。

だからこそ、先ほど御質問いただいたような、国土計画を本当に、国土強靱化という大きなコンセプトの下で国土計画を作っていくことが必要だろうと思うんです。それプラス、インフラのいろいろなメンテナンスとかというソフトなことも当然やっていかないといけないと思います。

以上でございます。

牧野たかお議員(自民党)の質問要旨
国家公務員の削減、人件費削減について
参考人:藤井聡さん (1:40:00~)

御質問いただいた御意図通りではないかと思いますが、デフレ圧力を掛ける一つの要素になることはこれは間違いないだろうと思います。

そのデフレ圧力による社会的な便益、社会的公正の毀損を上回るようなものを別途考え――もうそれは政府合意としてそうなったといいますか、決まったんだったらもう仕方がないのかもしれないですけど――本来はそれはやるべきではなかったと思いますし、或いは例えば東北に失業者が12万人いますけれども、大袈裟な話でいいますと、彼らを何がしかの形で公的に雇用していくとか、何がしかそれと合わせた対策を行わない限りはデフレ圧力の流れになってしまうだろうと思います。

私としては、そういうふうにしか今はちょっとお答えできないです。非常に残念な話だと思います。

再び牧野たかお議員(自民党)の質問抜粋
デフレを脱却して日本が豊かになるという話だけで考えた場合、極論を言うと、ほとんど貿易をやらないで鎖国状態にしても同じかなと時々お話を聞いていて思うんですが、それは聞いていて私の勘違いというか間違いですかね。
参考人:藤井聡さん (1:45:33~)

どうもありがとうございます、非常にすばらしい御指摘で。

理論的に考えまして、なぜ貿易が必要なのか。貿易をすることが我が国国民の普通の人の普通の暮らしの普通の幸せのために必要であるならば、貿易は必要と言っていいでしょう。

ところが、そうでないとしたら、別に外国に頼ることがなく自分たちでいろいろな、石油も取れ、お米も取れ、お肉も取れ、いろんな音楽も作れ、いろんな散髪屋もあり、それでもし生きていって国民が本当に幸せだとするならば貿易をする必要は僕はないと思います。これが一点です。

もう一つ。もしも貿易をする必要があるとするならば、僕たちが幸せになるためではなくて、僕たちが持っている技術力とか財力とかがあれば困った人を助けてあげられるんだったら貿易をしてさしあげて、世界を救うために貿易をするということは僕は当然ながらあり得ると思いますが。

「自分一人では生きていけないから、商売をするために他所の人と貿易をやって生きていきまんねん」というのはこれは、男というものはという言葉を昔から日本で言いますけど、独立することが全ての重要な美徳であって、福沢諭吉も『文明論之概略』の一番最後は、自主独立、独立自尊ということを言っていらっしゃるわけですから、貿易という点でも独立するというのは、これは当然ながら全ての国家の究極的な目的だろうと思います。

しかしながら、現実はそうではなくて、油は出てこないですし、お肉も余り取れへんし、何か外国の方が安いものもあるところもあるし、まあ貿易した方がええかなということで渋々貿易をやっているだけの話であって、本来は日本人が日本人として生きていけれるんだったら、何故やる理由があるのかということを逆に日本中の皆さんにお聞きしたいぐらいですね。

以上でございます。

三原じゅん子議員(自民党)の質問要旨
デフレと外交、対中問題、TPP、領土問題
参考人:藤井聡さん (1:48:49~)

どうも御質問ありがとうございます。

まず、GDPの大きさというものは、経済力がもしあると、更に、貿易をしていろいろなものを、もし内需が拡大をしていると、いろんな中国から物を買ったりとか米国から物を買ったりとかすることが出来るようになると思います。それは2008年までの米国もそうであったわけでありますけれども、どちらかというと、当時の米国は貿易不均衡を無理やりつくって赤字化してたくさんの物を外国から買ってやって、米国というのは物凄い需要が厚い厚いものでしたので外国から物を買って、中国から物を買ったり日本から物を買ったりすると。

これは要するに大旦那さんになる訳ですね。大旦那さんというのはお店屋さんからしてみると、「いや~どうもいつもお世話になっています~」と、こうなってくるので、多少無理を言っても聞いてくれたり、あるいは大旦那さんを怒らすと、「あんたのところの物は買わへんで」と、こうなると、「いや、そんなん言わんと…」と、こうなりますので、そういう意味で、日本に対して、基本的に物を沢山買ってあげれるような状況になると、我々の日本の顔色を窺う様に絶対になります。

更に言うと、本当は国債を買ってあげたりとかって米国に対してもあるんですけれども、そういうものも含めて、日本の財力が、需要というものがあると、中国とかに対してもいろんなものを買ってあげることを通じて我々が立場上、上になってくるということがあります。これが根底的に極めて大きな影響を及ぼすだろうと思います。

場合によっては、よく80年代なんかでも、北方領土の議論なんかでは、日本の経済力がすさまじかったので、この勢いがあれば北方領土が返ってくるかもしれないというような手記を僕は何度か読んだことがあります。細かいことは当然ながら公開はされてはいなかったですけれども、直接交渉をされた方のお話をお聞きしたときに、「いや~実は本当に返ってくるような局面があったんだよね」と。ところがちょこちょこっと何かあって駄目になったんだと。それは、やっぱりバックに強力な日本経済があって、金で土地を買うというわけではないですけれども、その強力な経済力でもって領土問題の解消がもう一歩のところまで行ったというのは、これは公表はされていないですけれどもこれ間違いのない事実であって、外交官の方は皆さんそれを、そう言われればそうやなと皆さん同意されると思うんです。

という意味に於いて、竹島問題とか尖閣問題とかも、日本のGDPが1200兆もあれば全く違う展開を見せていたであろうことは間違いないんじゃないかなと思います。

以上でございます。

再び三原じゅん子議員(自民党)の質問要旨
デフレによる自殺者の増加について
参考人:藤井聡さん (1:51:43~)

先ほど櫨参考人の方からも、デフレの恐怖は今の若い人は知っているけれどもインフレの恐怖は知らないと、そういう議論がありましたですけれども、僕は逆に、デフレの恐怖を皆さん過小評価しているというふうに思います。

そのデータの一つがこちらですね。これが幸福度のデータなんですけれども、これは世界の国民の幸福度を毎年調査するという非常に地道な研究をされているオランダの方がおられるんですけれども、その方が、この赤い方が幸福度平均、日本人の幸福度平均です。ただ、このサンプルサイズがそれほど大きくないので、ある程度安定していなくて上に上がったり下に下がったりとかしていますけれども、間違いなく日本人の幸福度というものは低下していく傾向にあります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p32

その一方で、御覧のように、平均所得というのは、実は660万弱あったものがもうこのたった10年で560万ぐらいということで、100万ぐらい、100万以上下がってしまっているんですけれども、それを重ね合わせたグラフなんですけれども。この両者の間で統計分析をしますと、重相関係数で60数%ということで、要するに幸福度の低下が、見かけの相関かもしれませんが、幸福度の低下の6割ぐらいが貧乏になったことで説明出来るというような結果が出ています。

もう間違いなく、先ほど外国にも行けなくなったり、車も買えなくなったり、食べるものも安くなったりで、しかもしかも一番問題は失業者が増えているわけであって、失業者が増えるということは、パンが食べられないとかお米が食べられないだけではなくて、人間の基本的な誇りが毀損していくということにもなりますし。失業する人って物凄い不幸になるというのは、これは幸福研究で最も知られていることでありますから、そういうことも含めて、日本人というのは確実に不幸になってきているということが言えると思います。これが一点であります

さらに、しかも――これ笑ってしまう……わろたら駄目ですけれども――90年代の幸福度というのはフランスとかギリシャ辺りだったんですが、実はもう2007年の幸福度はイラン、ヨルダン、フィリピン、スロバキア、シリア、チュニジア、南アフリカ、エジプト、ジブチ、モンゴル、ニカラグア、ルーマニア辺りの国民の幸福度と同じなんです。もう既に日本人は先進国ではないと言っていいと思います。更に言うと、失業率というものは若い人ほど高くなりますので、今の若者の不幸さたるやもうすさまじいものがあるんです。当然ながら、インフレの恐怖というものがあるんですけれども、インフレの恐怖によってデフレ対策をしないのは、僕にとってはこういうことだと思います。

今、日本は、デフレというものは要するに栄養失調でもうガリガリになって死にそうになっていると、そのときに、昔みたいに何か「ぎょうさん背脂のラーメンとか食べとったら肥満になるから食べるのやめよう」とか言うてる、「何言うてるんやろ」みたいな感じ。まずは、ちょっとぽってりしてから肥満のことは考えたらいいのであって、今死にかけている訳ですから、もうデフレ対策をしないと本当に死にまっせと。

実際に死んでいるのがこのグラフなんですよ。デフレというのはいろんな統計の取り方がありますけれども、1997年から98年辺りに、ちょうどそのときに、もう徹底的な行政改革が行われたあの年です、増税も行われたあの年から、御覧のように日本の自殺者数というのは、この一番上のグラフを見ていただくと大体2万人強を推移していたんですが、これももうびっくりするぐらいのグラフでありますけれども、この1997年、8年に於いて1万人も自殺が増えて、それ以後ずっと増えっぱなしなんです。したがって、デフレで10万人以上が自殺しているということであります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p33

これ、更に言うと、デフレというものが失策によって行われたということは、半ば意図的にといいますか政策的にデフレが誘導されたとしたら、10万人を殺める政策であったということを私は学者として断定したいと思います。

もうこれ以上日本人を殺さないでいただきたいという思いで、私はデフレというものを本当に脱却しないといけないと思います。これは一番極端な例ではありますけれども、死なないまでも不幸になっている人が一杯いるんです。

しかも、もう一つだけ言わせていただきますと、デフレというものは格差社会を拡大します。格差とは何かというと、大企業に対して中小企業は潰れていきます。一つの会社だと、資本家は儲かりますけれども、労働者は貧乏になってもうボロボロになっていくので、労働分配率が下がります。しかも、派遣労働者といいますか非正規雇用は今、日本人の労働者の1/3にもなっているんですよ。昔はそんなことなかったんです。

更に言うと、地域的な分散でいいますと、都市に対して地方が疲弊する。僕、昨日、先ほども申し上げましたけれども、秋田行ってきましたけれども、秋田の経済とかもうぼろぼろになっているわけであります。秋田の人はかわいそう、まあ秋田だけじゃないですけれども。

いずれにしても、デフレが広がることによって地方がボロボロになっていくんですね。これを是非、是非、是非、是非日本の方に知っていただきたいと思います。

以上でございます。

秋野公造議員(公明党)の質問要旨
地方分権(道州制)と経済成長について
参考人:藤井聡さん (1:57:10~)

どうもありがとうございます。

私の重要な主張は、国土構造の分散化、都市機能の分散化であるというふうに考えております。しかしながら、都市の分散化と地方分権という政治学上の話は真逆であるということを強く主張したいと思います。

何故ならば、国土構造を分散化する為には、強力な国土計画を作り、強力な国家的な権限でもってそれを遂行していくということが必要であります。そもそも、国土構造を分散化するためには地方により多くのお金を投資していく必要があります。ところが地方分権化をしてしまいますと財源も移譲されることになりますから、そうなりますと、例えば100万人しかいないような都道府県ではもう何にも作れなくなる訳であります。したがって、『財源を移譲してしまうと結局は国土構造は分散化できなくなってしまう』というこの逆理があるということを殆どメディア等では言われていないという事を、私は強い強い危機感を持っています。

だからこそ、国土構造を分散化するためにも、政治的な権限に於いては強力な権限を中央政府に置いて、しかも、その中央政府に於いて、その中央政府と中央銀行がきちんと連携を取りながら国土構造の分散化をして、地方がきちんと独立になって、力、十分な財源を持つことが出来るならば、少しずつ少しずつ地方分権を推し進めていくということは十二分にあるだろうと思います。

もう一つ誤解を避けるために申し上げるとするならば、そういう格好で国土構造の分散化を進めるときに具体的な政策の内容を全て中央政府が口を出すことは、これはまかりならぬと思います。

基本的に、大きな政策の流れ、大きな国土軸の、国土軸の形等々を決めるのは国の仕事でありますけれども、それを具体的にどういうふうな格好でそれぞれの町づくりを進めていくとか、あるいはそれを具体的にどこの場所を通すことがその地域にとって豊かであるのかということについては、徹底的に、紋切り型とかあるいは金太郎飴の様にやるのではなくて、そういう部分に関しては地方分権化していく必要があると思いますけれども。

今ここで申し上げている地方分権化というのは、権限の地方分権化をやると日本というものは毀損してしまう、日本の国土構造は分散化できなくなるけれども、いろいろな細かいことは是非、是非、是非、是非地方の皆様方の知恵をお借りするといいのではないかなというふうに思います。

金子洋一議員(民主党)の質問要旨
三連動地震の問題と国土強靱化について
参考人:藤井聡さん (2:07:44~)

どうもありがとうございます。

今御指摘のあった地震の問題でありますけれども、私はたまたまこの時代に、1968年生まれでありますが生まれてしまって、先生方も含めて、今の国民を含めて今この時代に生きておりますけれども、非常に不幸な時代に生まれ落ちてしまったなと私は思っています。

何故ならば、日本というのは地震列島でありますから、地震が起こる事はこれはもう仕方がない事でありまして、東海・南海・東南海地震に於いては大体100年から150年周期で起こっております。首都直下地震に於いては、これは今の現代日本人が忘れていますけれども、おおよそ30年から50年の周期で起こっていたんですね、あの関東大震災までは。

そういうことで、地震があること自体は日本人として生まれ落ちたことは当たり前なんですが、残念ながら、現時点に於いて我が国は過度に都市化、近代化してしまって、一言で言うと、いろんなビルが建っているわけでありますけれども、位置エネルギーが高いところに建っているわけですね。これがちょっと潰れると物凄い被害が出てしまうと。これが江戸時代では、江戸時代、安政時代とかもうむちゃむちゃでっかい地震がぼこぼこぼこぼこ来たんですけれども、それによって江戸幕府がかなり傷ついて、それが明治維新の重要な底流になったことはこれは間違いないんですが、だからといって日本の国が傾くほどの被害はなかったのは、建物が木で出来てる小さいもので、サプライチェーンも小さくて、有機体として非常に小さな存在だったんですね。

ところが、日本というのは極めて大きくなって、あろうことか、この70年近く、戦後でいうと50年、60年ですね、もう巨大地震に襲われなかったわけであります。首都なんというのはもう90年近く襲われてなかった。その間、まあ一度もう空襲で無茶苦茶になりましたですけれども、その後せっせせっせ、せっせせっせと真面目な日本人ですから投資しまくって、地震の被害を、これは逆に言いますと、地震側に立ってみますと地震の被害を拡大化させてるみたいなもので、物凄い投資してしもうて、それでもうたぷたぷになったところにど~んと大きい地震が来るという時代であります。

それがまず本当に不幸であって、我が国は本当に存亡の危機に立たされているということ。これ、デフレの被害と同じぐらいというと――デフレの被害もそれぐらい僕は大きな問題だと思っているということをアピールしたいために申し上げているんですが――それと同じぐらい巨大な問題がこの巨大地震問題であると思います。

もう少しデータ的なことを申し上げますと、東日本大震災のようなマグニチュード8以上の巨大な太平洋側の東北の地震は過去2千年に4回起こっているんですが、その4回とも、4回とも、もう一回言いますけれども、4回とも10年以内に首都直下型地震と、首都直下地震と連動しているんですね。

ですから、もう10年以内にここに巨大な地震が来ることは、皆さん諦めてくださいと僕は、学者としては言えないですけれども、覚悟としてはそう思っていただきたいと思います。当然ながら、過去4回とも絶対そう起こっているから今回も絶対そうなるんだということは科学的には言えないですけれども、もう覚悟しないわけにはいかないというところにあります。

最悪の場合は、マグニチュード8が起こってしまうと、政府の試算では325兆円の毀損ということで、東日本大震災が10発食らったような巨大被害を我が国は受けてしまうということが、もうこれが、その可能性が本当にあると。

しかも、西日本大震災に於いては、過去、先ほど申し上げた4つの事例のうち3つに於いて20年以内に連動していて、その場合もしもそのマグニチュードが9になれば、マグニチュード9になれば、大阪は水没、名古屋も水没するということが予想されています。それを防ぐためには10兆円程度の投資を行って、堤防をあと2メートルとか3メートルずつ高くすれば何とか救われるということはあるんですけれども、そうならなかったらいいですけれども、なったらどうするんやという話がありますから、これが昔の何か江戸時代みたいな国やったら、ああ、何か田んぼが潰れたなで済んだんですけれども、今そこに物凄い巨大なGDPがあるので、本当にもう世界史的に初めての超巨大な破壊が行われようとしている前夜であるというふうに言える確率が十中八九であると。

これで何もしなかったら、日本人はその程度の愚かな国民やったら滅びてもええんちゃうかなと思うぐらい本当に巨大な、巨大な危機に迫っていると思いますので、たかだか100兆や200兆の金ぐらいはした金でありますから、先生方のお力で、まあ1年間で200兆ぐらいは大変でありますけれども、10年間でやるようにして10兆から20兆を何とか、何とか御用立ていただいて、この国を守っていただきたいというのが私の強い願いでございます。

以上でございます。

寺田典城議員(みんなの党)の質問要旨
①過去の公共投資はどうだったのか
②企業は外に打って出るのが大事なのではないか
③閉塞感の打破には地方分権・道州制なのではないか
参考人:藤井聡さん (2:15:23~)

それでは、まず過去の公共投資の効果がどうであったかというこの点からお話し申し上げたいと思いますが…。

1991年にバブルが崩壊します。そこでいろんな金融資産とかがぱあっと空中霧散してしまったと。そこでは一説には1500兆円程度の資産がなくなったと言われています。もしもあのとき公共事業の拡大をしなければ、あのとき公共の事業の拡大をしたことは御存じだと思いますけれども、公共投資の拡大をしなければ間違いなくGDPは低下していたこと、これはもう間違いないと思います。

結果を御覧に入れたいと思いますが、御覧のように、1990年がこういうような水準であったわけでありますけれども、1995年――これは5年置きのグラフになっていますからちょっと分かりづらいかもしれませんが――1995年まで何と日本は経済成長を果たしています。ということは、経済成長をしたということは、これはバブルが崩壊したにもかかわらず経済成長したのは、これはその後の公共投資の拡大によって、いわゆるニューディール対策によって拡大したんだと言わざるを得ないと思います。そういう効果が一つあったのが一点。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p17

さらに、よく言われますのが、ここでデフレになった後に緊縮財政に転じて、橋本内閣で緊縮財政に転じた後に、その反省の下、小渕内閣が財政出動を行ったけれども、それは借金を増やしただけではないか、何も良くなっていないのではないかということがさんざんこの10数年間、もう御他界されたのにかわいそうにずっと言われ続けているわけであります、小渕先生は。

しかしながら、データをきちんと見ますと、小渕先生の大規模な公共投資を行ったその翌年に於いてのみ唯一収支は改善しているんですね。このデータは今日ちょっとここにはないですからお見せできないですけれども、これは自明であります。公共投資を拡大すると、所得分配じゃなくて投資を拡大するとその分のGDPは、その分、乗数効果は1でも確実に増えるわけであって、しかもそこの分の税金は入ってくるわけでありますから、財政収支はこれは改善しております。しかしながら、残念ながら小渕先生は御他界されて、その路線というものは小泉行政改革、小泉先生のあの改革によって真逆の方になっていって日本の収支はガタ落ちになっていくというのが、これが歴史であります。

したがって、歴史をつまびらかにきちんと見れば私がここで申し上げていることと何ら矛盾がないということを、学者として――学者としてという御質問をいただきましたので――学者として申し上げたいと思います。

そして、もう一つ、外に打って出るという話、外に打って出るしかないという論理でございますが、それはもう繰り返しません、先ほど申し上げた通りでございます。

参考人:櫨浩一さん ※抜粋 (2:20:15~)

ここで忘れているのは、企業がグローバル化するというのは、その企業は恐らく、もはや日本の企業というふうに呼べるものになるかどうか分からないということであります。恐らく社長も日本人ではなくなり、企業の主要幹部も日本人ではなくなる。従業員に至っては、今でも日本企業の世界的に有名な製造業のメーカーでは半分以上どころかかなりの部分、まあ過半数といいますかね、多数が外国人であるということで、日本企業と言いながら実は日本人の方が少数派だという状況になっておりますので、こういう企業と政府というのは必ずしも利害が一致しなくなるということを我々は考えておかなくてはいけないんじゃないかというふうに思います。

再び寺田典城議員(みんなの党)の質問要旨
・自分の血液型がAB型だが、どちらかといえば(パターン)Aを取りたがる方だ。
・秋田県知事当時は緊縮財政の中でも皆夢があった。だが今は毎年40兆円垂れ流している状態で国民は不安なのではないか

参考人:藤井聡さん (2:23:07~)

まず、この図が示しておりますのは、これは先ほどデフレの説明をいたしましたですけれども、デフレを放置するとGDPが小さくなるということであります。小さくなるということは税収が減っていくということであります。したがって、財政が悪化していくということであります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p13

その一方で、きちんと公共投資をするとGDPが守られるということであります。守られ、しかもこの翌年のことは書いておりませんけれども、経済が拡大していくということであります。経済が拡大していくということは税収も増えていくということであります。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p14

過去に於いて、公共投資をやっても拡大していないという事実はあります。それは、はっきり言って、デフレギャップがまだ20兆円残っているにもかかわらず、それを埋める前に緊縮財政に転じたからであります。小渕先生も失敗しました。そして麻生太郎先生も、折角15兆円の補正予算を組んで3年間やろうとしたところ頓挫してしまいました。したがって、あのときにどちらかが成功していれば、どちらでも構わなかったとは思いますけれども、GDPが拡大していたということは可能であったと思います。

そうなると、次が大事ですけれども、例えば、この本(救国のレジリエンス)でこういう、900兆円になるという、これ一番マックスの状況でありますけれども、もし仮に250兆の投資をやって、それで、そうしますと1250兆になったとしましょう、借金の方が。その一方で、GDPが900兆になったとしましょう。さて、GDPに対する借金の量は何ぼかというと12.5/9であります。したがって、もう物凄く改善しているわけですね。ところが、今のままだと10/5になってもう2倍になっているわけであります。

したがって、成長をしていくことを通じてそこの収支が改善していくということ、これは間違いないわけであって、いずれにしても、デフレから脱却すればそのシナリオが出来るということを知るべきであるというふうに言わざるを得ないと思います。

以上でございます。

中原八一議員(自民党)の質問要旨

日本海側国土軸、分散型国土の形成に於いて、新幹線の整備と併せてやるべきことは。

参考人:藤井聡さん (2:28:10~)

まさにおっしゃる通りでございます。インフラを投資するというのは、イメージでいいますと漁場で魚礁を沈めるようなものであります。あれはコンクリートの塊を入れて、暫く最初は何もないわけでありますけれども、いい感じで、ええ所に沈めると魚がいっぱい寄ってきて、そこにある種生態系ができ上がると。

そういうものを日本海側でなくて太平洋側にさんざん投資してきたので、魚礁に付きまくってできたのが東京、大阪、名古屋ということで、日本海側に魚礁を全然沈めていなかったので発展していないということがあります。

したがって、魚礁を沈めることが一番大事であるということをまず申し上げた上で、しかしながら、魚礁を沈めて新幹線なり高速道路なりを通してそのままほったらかしておくと、それでも発展することあるかもしれませんけれども、発展しないことも当然考えられます。したがって、お魚をこっちに無理やり持ってきたりとか、そこに餌を無理やり最初ちょっと植え付けたりとか、そういうことをやるとより効率的に、10年掛かるところが2年、3年で餌場ができたりとかすることもありますから、是非そういうことをやる必要がある。

以上が比喩でありますけれども、そのために何が必要かというと、やっぱり補助、移転をした人たちに対する補助とか、あるいはそちらで、東京から移転した人には特別減税をするとか、その減税分は地方が負担するんじゃなくて、国土強靱化基本法みたいなところで定められているような、例えばそういうところでの国からの負担を行うとか、そういう格好で、移転であるいは直接的な開発というものも当然あり得ると思います。

例えば、日本海側だとメタンハイドレートというものが非常にポテンシャルが高いんじゃないかという議論もあるぐらいですから、そういうものの基地を意図的に造っていくということも必要だと思います。

私、四全総、五全総のときの日本海側の失敗は、公共投資の額が少なかったからというのもありますけれども、落下傘型といいまして、開発とインフラ投資に重きを置き過ぎたことの失敗は僕はあったんじゃないかなと、昭和時代は。

そのころは、私が研究しているような都市の発展の歴史というものが十分分かっていなかったので、落下傘型のとにかく開発主導で行ってしまったんですけれども、実は今、フリードマンが全部悪人というわけではなくて、自由主義経済というものを上手に使っていくことも必要でありますから、そういう経済理論をきちんと使いながら、どういうソフト施策を展開していくと効果的に日本海側に都市が分散化していくことが出来るのかということが大事だと思います

それと同時に、先ほどから何度か御質問いただきましたような、例えば大阪には造幣局があったりしますから、そういうことで、実は地方に展開してもいいようなものって僕は考えてみたら出てくるんじゃないかなとも思います。ただ、東京に集積していることのメリットもありますから、そのメリットが毀損してしまうことのデメリットとの勘案にはなりますけれども、そういうことを真面目にじっくりと考えていくということは大事じゃないかなと思います。

いずれにしても、インフラを造りそれを促進するような法制度とか、そういうものをつくると同時に、政府機関で移転出来るものがあれば移転していくといいんじゃないかなというふうに思います。

以上でございます。

会長:鴻池祥肇議員

以上で参考人に対する質疑を終了いたします。

藤井参考人及び櫨参考人におかれましては、御多用の中、本調査会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。

本日お述べをいただきました御意見は、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じております。本調査会を代表して厚くお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

本日はこれにて散会いたします。


※参考資料※

※この調査会で使われなかった参考資料がありましたが、何れも興味深いものなので掲載しておきます。

藤井聡-参院参考人資料-120222 p26
藤井聡-参院参考人資料-120222 p27
藤井聡-参院参考人資料-120222 p28
藤井聡-参院参考人資料-120222 p30
藤井聡-参院参考人資料-120222 p31
藤井聡-参院参考人資料-120222 p34

四全総、五全総という言葉が何度も使われたので参考迄に纏めておきます。

四全総

1987(昭和62)年閣議決定の第四次全国総合開発計画。国土庁が担当。多極分散型国土の構築を目標に「交流ネットワーク構想」を打ち出した。交流ネットワークは、多極分散型国土を構築するため、

①地域の特性を生かしつつ、創意と工夫により地域整備を推進、

②基幹的交通、情報・通信体系の整備を国自らあるいは国の先導的な指針に基づき全国にわたって推進、

③多様な交流の機会を国、地方、民間諸団体の連携により形成。

21世紀の国土のグランドデザイン(=五全総)

1998(平成10)年の第五次全国総合開発計画。国土庁が担当。地球時代、人口減少・高齢化時代、高度情報化時代という背景のもとに、多軸型国土構造形成の基礎づくりを目標とするが開発方式は示さず、「参加と連携」をスローガンに多様な主体の参加と地域連携により国土づくりを行っていくこととし、具体的には下記の「4つの戦略」を提示した。これまでの全総のように投資総額を示さず、投資の重点化、効率化の方向だけを示したことも特色。

①多自然居住地域(小都市、農山漁村、中山間地域等)の創造

②大都市のリノベーション(大都市空間の修復、更新、有効活用)

③地域連携軸(軸状に連なる地域連携のまとまり)の展開

④広域国際交流圏(世界的な交流機能を有する圏域)の形成

コメント

2012-03-29

Gakusei

丁寧なまとめだと思います。
大変勉強になりました、感謝します。

2012-04-03

Rockbell4

Gakusei様
コメントありがとうございます。

> 大変勉強になりました、感謝します。

そう言って頂けるとモチベーション上がりますw
この藤井さんのお話に興味を持たれた方には、中野剛志さんの
「レジーム・チェンジ~恐慌を突破する逆転の発想」をお薦めします。
以下は序章からの抜粋です。私はこの意見に強く共感しました。

「デフレによって我々国民の生活が脅かされているにも拘わらず、日本の経済政策を決定するエリート達がデフレを放置している以上、国民一般から声を挙げ、デフレ脱却に向けた政策の転換を求めていくしかない」

2012-06-02

chimata

なんと素晴らしいまとめか
動画も拝見いたしました。可能な限り周知していきます

2012-06-05

Rockbell4

chimataさん、コメントありがとうございます。
6/4に自民党が国土強靱化基本法案を衆院に提出しました。
デフレ脱却と震災に備えるべく本気で取り組んで欲しいと思います。

但しこれを単なる公共事業と誤解している人が多いし、
しかも内閣府モデルが間違っていた所為で乗数効果低いと
思われているしで、それが一寸残念ですね。

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