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「民主党が失敗することは最初からわかりきっていた」と京大・佐伯啓思教授

いよいよ民主党政権の終わりが近づいてきました。解散総選挙も「近いうち」に行われることでしょう。しかし、前回の政権交代がなんだったのか。自民党には「反省しろ」とか「総括しろ」というマスコミからは何の反省も聞こえてきません。ならばということで勝手に考えてみたいと思います。

3年前、マスコミによって民主党が強力にプッシュされた理由は、お金をばら蒔いたとか、政権取ったらブレーンにすると口約束で知識人を騙し応援させたとか、地方参政権を餌に外国人に応援させたとか、広告代理店がB層を対象に宣伝工作を仕掛けたとか、いろいろあるでしょうが、どうもそれだけでは納得出来ない何かがありました。多くの国民がそんな簡単に騙されるものなのかと。そうこうするうちに、「自民も駄目、民主も駄目、次は維新だ!」などと言い出す人達まで居て、一体この人達は、あの政権交代から何を学んだのだろうと不思議に思っていました。

そんな時に京大・佐伯啓思教授の著書「反・幸福論」を読んで、その疑問が少し埋まった感じがしました。無責任な人達に「政権交代すればすべて良くなる」と煽られ、だが世の中は前よりも確実に悪くなり結局国民は政治不信に陥ってしまった。解散総選挙が近づいた今、二度とあんな愚かな政権交代を繰り返さないためにちょっと考えたいと思います。

「反・幸福論」に関しては、納得のいかない内容も大いにあるのですが、民主党について書かれた第九章は腑に落ちました。

以下、「反・幸福論」の第九章、「民主党、この『逆立ちした権力欲』」からの抜粋です。




「民主党に騙された国民がバカなのだ」という人もいます。騙した方が悪いのかそれとも騙された方が悪いのか、それはともかく、確かなことは、民主党の旗をふった影響力のあるマスメディアやジャーナリスト、学者、評論家といった知識人は決定的に間違った、ということです。

彼らの多くが今頃になって、民主党に失望しただの、民主党は変質しただの、鳩山も菅も無責任だなどと言っていますが、それこそ無責任極まりない。彼らに民主党や菅さんを批判する資格があるでしょうか。

(中略)

民主党が失敗することは最初からわかりきっていたからです。

(中略)

理由は簡単です。民主党のほとんど唯一の存在理由は反自民、反官僚だったからです。いまの日本を動かしているのは自民党と官僚組織である。だから彼らから権力を奪取する、という「権力への野望」が民主党を動かしたわけです。

(中略)

つまり、「(政治主導により)民主主義を実現する」という正義の本当の意味は、「従来の権力中枢であった自民党と官僚組織から権力を奪取する」ということだったのです。

だから、特にやりたいことがあるわけではない。何とも奇妙なことに、民主党の場合には、政権を取ること自体が「正義」であり、正当な目的になってしまった。

(中略)

それでも、「いや、従来の自民党や官僚主導では日本はよくならなかった。彼らは国民の求める政治をしていなかった。だから民主党になれば、国民の真に求めるものを政治が実現できるはずだった」と反論する人もいるでしょう。

しかし、国民の求めるものとはいったい何なのでしょうか。子ども手当や高速道路の無料化だったのでしょうか。

確かに。この十数年、日本はいかにもうまくいっていません。経済は一向によくならず、外交はアメリカや中国に振り回され、教育現場は混乱が続き、衝撃的な犯罪が多発しています。そこへもってきて大地震まで起きました。

(中略)

外交が無力なのは「あの戦争」をいまだに引きずっているからではないでしょうか。

(中略)

中国に対してどこか卑屈になるのもまた、「あの戦争」が対中侵略戦争であったという戦後の公式的な歴史観のためです。

こうなると事態は容易なことではありません。「日本がうまくいっていない」根本的な理由は、「平和憲法」プラス「日米安保体制」プラス「経済成長追求」という戦後のトリアーデそのものにあるからではないでしょうか。

「平和憲法」「アメリカニズム」「経済成長」、この三つが戦後日本を支えた価値でした。

そしてその背景には、戦前を断罪し、戦後民主主義を礼賛するという「東京裁判史観」がありました。

だから、「うまくいっていない」理由を問い質すなら、この価値観、歴史観を見直さなければならないでしょう。

これは容易に手直しなどできる種類のことではなく、憲法問題、日米関係、経済成長路線の是非、更には価値観、歴史観にまで踏み込むということです。

(中略)

戦後憲法、アメリカへの依存と中国への卑屈や尊大さ、経済的利益中心の発想、そして歴史観や戦後的価値、これらはすべてわらわれの精神にかかわる問題です。「支配権力」はわれわれの内部に巣くっているのです。

そこまで踏み込まなければ、今日の日本の「全般的衰退」は食い止められません。民主党が本当に「反権力」であり、本当に「反体制的」であるなら、対抗すべきはこの「敗戦後体制」だったのです。

しかしむろん彼らにはそんな問題意識はまったくない。それどころか、民主党自体が、戦後民主主義という「敗戦後体制」そのものの落とし子だった。これでは、政権交代の意味は何もないでしょう。

ではどうして民主党はそれほど支持されたのか。

先に述べたように、民主党の基本的な存在意義は、「自民と官僚から権力を奪取する」という一点にあった。そしてそれ以上に特に政治的理念や政治的使命感はなかった。もしやりたいことがあれば、政権奪取後にこれほど迷走することはなかったはずです。

鳩山は首相を辞任した後、他の議員のパーティに出席しこんな話をしています。

「私は、二つの真の独立のために、政権交代したと思っている。
そのひとつは、あまりにも官僚に依存しすぎている日本の政治を官僚の手からはなして、独立させること。
もうひとつは、あまりにも国際問題、アメリカに依存しすぎたこの国を、国際的にも真に独立国だと認めてもらえるような立場にすること。この二つでございました」

(阿比留さん「政権交代は米国からの真の独立のためだとMr.L」(2010.10.30)

言ってる事はでかいですが、その外交は日米中正三角形とかトラスト・ミーとか、幼すぎます。その前に母親から独立しなさいよ、って話だと思いますけどね。

(中略)

民主党が支持されたのは、「支配権力(らしきもの)」を打破するといったからです。

「自民党をぶっ壊す」といった小泉への期待、『壊し屋』小沢への期待などもそうでしたね。国民もマスコミもそういった政治ショーを望んでいた、それに違和感を感じたのは私だけじゃないと思います。

となると、民主党政権を生み出したものは、「支配権力」に対する否定的で破壊的な意志だということになります。

(中略)

だがそうするとこれは深刻な問題です。われわれの政治の質が、根本的なところで「支配権力」を否定するという欲望によってしか動かない、ということだからです。

しかしただの「否」からは何も生まれてきません。

(中略)

ここにあるのは、現状に対する漠然たる不満や不安で、この不満の矛先が「支配権力」や「既得権益」や「守旧勢力」へと向けられてしまうのです。民主党は、この漠然たる不満が生み出した「否定的な意志」を養分として今のところのあだ花を咲かせてしまっている、ということになる。

これは決して健全なことではない。どうしてかというと、「支配権力」という「特権」に対する「否」は、実は、「権力を批判することによって自らが権力をもつ」といういかにも屈折した権力欲を隠し持っているからです。

そういえば阿比留さんの著書「政権交代の悪夢」にこんな記述がありましたっけ。

<<民主党議員は政権を奪取し、政府や党の役職についた途端、横柄に、高圧的になる者が多かった。それまで「○○さん」と敬称付きで呼ばれていた年下の議員から、急に呼び捨てにされるようになった同僚記者もいる。例外も多いが、一般的には自民党議員の方がはるかに丁寧かつ謙虚で、人当たりがよい。(p.57)>>

(中略)

民主党が崩壊するとすれば、それはこの「ひねくれた権力欲」の抗争による自滅であることは間違いありません。そして、この道行きは、民主党の基本的な性格からしてほぼ「論理的」に予想できることなのです。

(中略)

民主党は一時的であれ、あれほど支持された。しかも、特に内心でこっそり知的エリートを自認する評論家やジャーナリスト、学者などの知識層に民主党は支持された。

とすれば、このひねくれた否定的な権力欲は、実は、今日の日本の知識層を中心にそうとう根深く浸透しているということを意味しています。

(中略)

このような「否定の政治」を続けてゆくと、そのうち、自民であれ民主であれ、既存政党そのものが攻撃され、次々と繰り出される「否」は、既存政党とは異なった、もっと攻撃的で破壊的なイメージをもった新党やカリスマ的な人物の登場を待望することになるでしょう。小泉さんよりもっと強力なデマゴーグがでてくる。恐るべき歯切れのよさ、論点の単純化、敵対者への攻撃、こうしたパフォーマンスに大衆は喝采を送るでしょう。

大阪の人のことですね、わかります。

しかしいくらカリスマ的な人気者でも、問題の根底にある「敗戦後体制」を動かすことは出来ません。原理的にそれは無理なのです。

なぜなら、国民のほとんどは、「敗戦後体制」に満足しているからです。

(中略)

だからこれをいじるなどといえば、大衆の支持を失うことは間違いない。

安倍さんが掲げた「戦後レジームからの脱却」。そしてその後どうなったかは記憶に新しいです。未だに「お腹が痛くなって辞めた」と思っている人が多いのは残念ですね。

(中略)

本当の問題は、自民か民主か、あるいは政治主導か官僚主導か、という点にあるのではなく、われわれ自身の内部にあるからです。われわれの内なる「ひねくれた権力欲」にあるからです。

(中略)

ここからニーチェを引用し、卑小な者が生み出す「奴隷道徳」についての長い説明があります。

「高貴な者」が力をもち「卑小な者」を従えるのは、まあ、ありうる姿でしょう。ところが、従えられた「卑小な者」は「高貴な者」に対して怨念、復讐心、増悪を抱く。

これが「ルサンティマン」なのですが、「卑小な者」=「弱者」は、力で「高貴な者」=「強者」を打ち負かすことができないので、わざわざ普遍的な正義や道徳というものを打ち立て、この正義によって「強者」を縛り付け「強者」を支配しようとする。

(中略)

一番困ったことは、ルサンティマンにいかにも正義の仮面をかぶせて誇らしげに自己正当化することなのです。こうなるといささか問題です。ルサンティマンを持つことが問題なのではなく、それに居直って自己正当化することが問題なのです。

麻生さん叩き、官僚叩き、最近では東電社員叩き…。特にいつまでも麻生さんを叩いている人を見ると、自民党=権力の象徴、麻生さん=お金持ちという歪んだルサンティマンかと思わずにはいられません。何故、鳩山や岡田が叩かれなかったか不思議ですよね。

(中略)

「国民」の間にある鬱憤や不満は、民主政治のもとでは次のような形をとるでしょう。

「民主社会では主人公はわれわれである。したがって、われわれによって選出された政治家はわれわれを幸福にする責務を負っている。だから、私が幸福でないのは政治家のせいである」と。

ここにはあの裏返されてひねくれた権力欲が見事に発揮されています。

(中略)

この、自らは決して権力者の地位にはつかずに権力を批判する、というねじれた精神、それが「世論」という肩書をもって白昼公然とメディアを闊歩すると、政治は機能しなくなる。しかも痛手を受けるのは、実はわれわれ自身なのです。

(中略)

「主権者」であるわれわれも、「民主主義」とは、どうやら「ひねくれた権力欲」にはたいへんに都合のよいものらしい、ということぐらいは理解しておく必要があるでしょう。民主党をめぐるこの2、3年の騒動は、実は、民主主義そのものの問題であり、それは民主主義のなかにはどうやらある種の屈折した、ゆがんだ精神が潜んでいるのではないか、ということでした。そこまで問いかけなければ、今日の日本の政治状況は把握しきれないのです。それは、政治家や官僚だけに問題を押し付けるのではなく、われわれ自身の問題だと知らなければならないのです。




3年前の総選挙。民主党の大躍進を伝える選挙速報を聞いていて、私はとてつもなく暗い気持ちになりました。そんな気持ちを阿比留さんが「政権交代の悪夢」の中で的確に表現してくれています。

このころ筆者は、民主党が勝利するであろう衆院選後の政界のイメージとして、よく終戦後の焼け野原の写真を思い浮かべた。

それは、対米関係、教育、伝統・文化、家族と社会のあり方……など戦後の日本が営々として築いてきたさまざまな有形無形の財産、価値が、おそらく政権交代を機に破壊され尽くされるだろうという予想が一つ。

もう一つは、どうせ日本を再建しなくてはならないのなら、いっそ邪魔な廃屋も電信柱も何もないきれいな焼け野原となった方がいいのかもしれない、そういう思いだった。(p.48)

あの政権交代とは結局何だったのか。

日本の政治と政治家たちの実情を、国民に知らしめた以上の積極的な意味はあまり見いだせない。
(阿比留さん「政権交代の悪夢」より)

コメント

2012-09-16

toohuudoo

私が、前の総選挙のときは、自民党を支持したのは、
消極的理由からだったが、民主党よりははるかにましだと
思っていた。選挙でどの政党を選ぶかは、ほぼいつも
悪魔の選択でしかない。
エビで鯛をつるような、民主党のマニフェストに何故多くの人が
騙されるのか不思議だった。
甘い言葉で、人をだまそうとする、詐欺にしか見えなかったのに。
馬鹿にされているみたいで、私は民主党には腹をたてていた。

2012-09-17

Rockbell4

コメントありがとうございます。
確かに消極的な理由であっても仰る通りだと思います。

当時、あのマニフェストやマスコミの熱狂ぶりを見て、
何もおかしいと感じない世論には違和感覚えました。
いまの維新に対する世論とマスコミの熱狂や
「もう○○しかいない」ってセリフにも、
もういい加減にしてと思います。

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