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「国民の覚悟と歴史観が問われている」 西田昌司さん×佐伯啓思教授 対談#1

週刊西田「西田昌司×佐伯啓思 時事対談VOL.1」

「安倍総裁と国民に問われる覚悟とは」

週刊西田「西田昌司×佐伯啓思 時事対談VOL.1」2012.10.1

西田さんと京都大学大学院教授・佐伯啓思さんの対談です。非常に興味深い内容だったので文字起こししました。

安倍さんの総裁就任は非常に喜ばしいことなのですが、当初は谷垣さんの続投を願っていたので正直複雑な心境でした。それは何故かと言えば、勿論谷垣さんが火中の栗を拾って崩壊寸前だった自民党をここまで立て直した胆力を見込んでのことでもありますし、何よりこの難局で、おまけに猛烈なマスコミ批判に晒されて果たして安倍さんの思う道を進むことができるのかという不安からです。佐伯さんや西田さんが危惧していることと一緒でした。

ですが佐伯さんは「安倍さん一人に任す訳にはいかない」、つまり私達も全力で支えますという意志の表れだと思いますが、この言葉に激しく共感しました。

それにしてもマスコミの低俗な安倍さん批判は、何とかならないものかとつくづく思います。まだ総理と決まった訳でもない一野党の総裁を、政治とは無関係な理由で執拗に叩けば、いくら何でも国民が「おかしい」と気付くと思うのですがどうなんでしょうか。

ところで最近読んで失敗したなと思った本の中に、著者の余りにも歪んだ国家観・歴史観を感じさせるものがあって一寸嫌気がしたのですが、これがまさに佐伯さんが著書「反・幸福論」で指摘している「逆立ちした権力欲」「屈折した権力欲」でした。国家や権力への批判を行間に込めながら、実は自分が一番貪欲なのは明白で、案の定その著者は鳩山や菅を好意的に受け止めているのが何ともおかしかったです。

国家観が問われる今だから一層違和感があったのだろうと思います。

以下、文字起こしです。




週刊西田「西田昌司×佐伯啓思 時事対談VOL.1」2012.10.1
西田昌司さん

こんにちわ。週刊西田、西田ヴィジョンの第2弾。今月10月は、京都大学大学院教授の佐伯啓思先生に来て頂きましてお話を伺いたいと思っております。

この録画をしているのは9月26日水曜日です。つい先刻、自民党の大会で新しい総裁に安倍晋三先生が決まったということです。

そういう事を受けて今日は佐伯先生と――これから安倍新総裁の下で自民党をもう一度再建、そして政権を奪還していかなければならないのですが――いま日本は非常に難しい状況になっていて、どういったことをやるべきなのか、何を安倍先生に期待するのかということも含めて、今の日本の問題点を色々深くえぐってお話をして頂きたいと思います。

そういうことで今日は一つよろしくお願い致します。

いま言いました様に、安倍晋三先生が新総裁になられたんですが、その事を受けて先ず先生から。

週刊西田「西田昌司×佐伯啓思 時事対談VOL.1」2012.10.1
佐伯啓思さん

いつ総選挙が行われるか、未だ確定はしていませんが、それ程遠くない将来に行われる。結果は分かりませんが民主が大敗するであろう。維新が何処まで来るか分かりませんが、自民が第一党になる可能性が可成りある。ということは自民の総裁が総理になる可能性が可成り高いという状況です。

その事を前提にして言うと、安倍さんには非常に大いなる期待と同時に可成りの危惧を感じます。

危惧というのは安倍さん個人という事では無くて、今の政治状況ですね。日本の置かれている政治状況が、外交的に言えば中国、韓国と非常に深刻な事態になっている。特に中国との関係が非常に深刻になっている。

それから経済の方で言えば、いつまた世界大恐慌に近いような時代が来るかも知れない。しかも日本はまだデフレから中々脱却出来ない。

こういう経済、政治、安保、外交、安全保障、更にもう一つ付け加えれば、これは自然災害なので何とも言い難いのですが、しかし何れにしてもまた大地震が起こる可能性がある。

相当厳しい国難が押し寄せているんですよね。そこで一体どういう形で……相当実力のある人が総理になっても可成り苦しいだろうという状況ですからね。

西田昌司さん

仰る通りだと思います。全く私も同じ意見です。

私が安倍総理を応援していましたけれど、元々は総裁選出馬に消極的で、「慎重にすべきだ」という事も、この週刊西田をご覧の方はご存知なんですけれど。

その理由の一つが今仰った様に、非常にこの日本が厳しい状況ですから、これを乗り越えていこうと思うと可成りの『整理をしなければならないモノ』があるんですよね。

つまり、民主党政権に任せておけば問題ばかりでとんでも無いというのは勿論なんですが、じゃあ自民党ならどうするかと言った時に、例えば中国との関係で言いますと、尖閣問題も或る意味で言うと自民党政治の置き残していった問題なんですよね。

自分の国を自分で守ったり、領土問題で実効支配をしようと思うなら、そこに人が住むなりをやってなきゃ駄目だったんです。しかし沖縄が昭和47年に占領から戻って来た後、ほったらかしにしてましたからね。

その後に日中国交を回復したけれど、この問題は次の世代に任せますよと先送りにしてきた。そこを我々自身が、「これじゃ失敗だった」、まずそこを確認しながら、じゃあ自分で自分の国を守る為にはどうするのかという話をしなきゃなりません。

それから経済の話で言いましても、いわゆる構造改革ですよね。前回、安倍さんが総理になられた時は、小泉構造改革を事実上禅譲し、経済政策を引き継ぐ形になっていました。

今のデフレを脱却する為にも、構造改革の大前提はグローバリズムと一体化している話ですから、そこをしっかり整理しないといけない。

つまり安倍総理が誕生しましても、安倍総理自身が自らやってきた事、自民党のやってきた事の総括、整理をきちんとしないと出来ないですよね。

その辺のことを、はっきりしっかりやってから後でないと、中々この問題は出来ないんじゃないかという事で、私はもう少し慎重に、時間をおいて出馬を図るべきだと申したんです。

今先生がご指摘されていることと全く同感なんです。

そこでじゃあ、どういう形でそれを総括していくかという事なんですけれども。

佐伯啓思さん

安倍さんは前回、『戦後レジームからの脱却』――要するに戦後日本の大きな枠組をもう一度根本から見直そう、憲法改正や安保の問題とか全部含めて――そういう風な事を仰って、まぁあの時は確かに時期が――私は早いとは思いませんけれども――小泉改革が終わった、小泉さんの余韻が随分残っていた時期ですから、確かに安倍さんがやろうとしたことが中々届かなかったのかも知れません。

あの時は小泉改革をどうするかという事が大きなテーマだったんですけれども。安倍さんは中々そこまで手が着かなかったですね。

だけど逆に言えば、今、本当の問題が何処にあるかという事を上手く打ち出せば――事態の深刻さも含めて――或る意味では(国民に)届く可能性がある、或いは届かさなければならない様な事態まで来てしまっていると思う。

一つは外交防衛の話ですよね。西田さんが仰った様に、中国は1968年に尖閣で油田が見つかったあたりから、「これは我々のものだ」と言い出した。しかし日本と中国の間で何となく――日本が若干有利な形で――実効支配に近い様な事をやっているけど、それを問題にしない、先送りしておこうと。そうしたら中国も文句言わないという形でずっと延ばしてきた。

竹島も、あれは明らかに李承晩ラインあたりから問題が発生しているんだけど、韓国の実効支配を一応認めた形で、しかし問題はそれ以上発展させない、という風にやってきた。ところが韓国大統領があんな形でやってきた。石原さんが言い出して、中国も一気に態度を硬化させた。

今まで先延ばししてきた問題がもう先延ばし出来なくなった。

この先延ばしというのは、日本の国土の安全に関わる問題、領土問題に関わりますから、一方では日本の安全保障体制をどうするのか、もっと端的に言えば、自衛隊を動かせるのかどうか、軍事力をどうするのか、こういう話に直結するんです。その事一つ取っても、戦後のこの平和憲法の下でやってきた平和憲法プラス日米安保体制、これで行けるのかどうかっていう話にも直接結びつくんです。

西田昌司さん

そこが、(政権奪還後に)安倍総理が実現した時、安倍総理自身もその覚悟が問われますが、安倍総理の覚悟というよりも、日本国民がその覚悟を持たない限り解決出来ないんですね。

つまり前回安倍総理が政権を取った時、憲法改正ということも視野に入れて、戦後体制そのものがおかしいんだと安倍さんは仰ったんですが、国民もマスコミも殆どそれを感じていなかった。

あの当時は経済が、中国との間の貿易が良かったし――国内的には色んな問題があったが――経済全体としては成長した。その余韻が残っている状況で安倍総理が登場され、仰ってた事はあの当時も今も間違いなく大事な論点だったんですが、国民がそれを共有出来ていなかった。

今回、私がもう一度整理すべき事があると言っていたにも拘わらず結局安倍さんは出馬され、自民党総裁になられたその背景には『時代が呼んだ』と思うんです。

つまり、これだけ民主党政治の下で――元は自民党を含めた戦後政治が問題だったんですが――とにかく当事者能力のない方々に政権を取らすのはとんでも無い。しっかりモノが言える、歴史観のあるしっかりしたリーダーが欲しいというその思い。国会議員も党員の方々も、――党員投票で石破さんが結構取られましたが――僕の印象からすると、党員以外の一般国民ですね、例えば街頭などで皆さんが話されているのを聞いていても圧倒的に安倍さんが、党員以外の一般国民の方々からの支援が多かった様に思うんです。

まさに時代が安倍さんを生み出した。それは前よりもより一層、安倍さんが戦後レジームからの脱却をやっていくには、良い環境になりつつあるとは思うんです。

しかしそこは可成りの痛みと言いますか覚悟を、我々自身がしていかないと出来ないと思うんです。

佐伯啓思さん

まさにそういう事なんだけど、結局この間、――小泉さんは郵政民営化というのを物凄く大きな政治課題に置いてたんで一寸特異なのかも知れないけど――大きな政治というものを自分の考え方で打ち出したのは安倍さんしか居ないんですよね。

それは、日本で本当の意味での保守政治をやりたい、保守政治をやる為には先程の、米国の占領政策の下で出来た日本の戦後体制を一体どうやって見直すのかというのが大きな課題になっている。

そういうことを言ったのは安倍さんしか居なくて、その意味では安倍さんの政治というのは非常に大きな見取り図がまずあって、それは我々には非常に了解しやすい、分かり易い。だけど同時に日本の保守主義というのは、或いは戦後レジームを見直すという事は、どうしても歴史観の問題が引っ掛かってくる。

つまりあの戦争をどういう風に解釈するのか、戦争での中国、韓国との関係を、歴史観の中でどういう風に位置付けるかというのが不可欠なんです。

ところが今回の竹島問題、尖閣問題の一番の厄介で嫌らしいところが、歴史問題と繋がっているんです。

尖閣に関する中国の意図は明らかに資源の問題から出発しているんだけれども、ポリティクス(政治的駆け引き)として歴史観を持ってくる訳ですよね。もう一つ厄介なのは、そこにまたロシアが北方領土の問題まで出てくると。これ、全部歴史問題と関わってくる訳でね。特に竹島問題の場合は、韓国人にとってあれは歴史観そのものらしいですね。日本の韓国併合と不可欠であるという事らしいんだけれども…。

そういうバックボーンの下で安倍さんが出てきたというのは、問題が全面的に歴史観の問題そのものになってしまう。それは向こう(=相手国)と歴史観で完全に衝突する、つまりこちら側から言うと日本人の歴史観が本当に問われることになるんです。それを幾ら何でも安倍さん一人に任す訳にはいかない。それは今、西田さんが仰った様に、安倍政権がどうなるかというのは国民の覚悟の問題になってくる。国民の歴史観が問われるんです。

西田昌司さん

仰る通りだと思いますね。韓国の竹島の話は1910年に日韓併合されてそれで一つの国になってきたんですけれども、本当はあれ、日韓併合前から竹島は島根県の一部になってる訳ですから、違うんですけれども、そういう話に持ち込んでしまう。

尖閣も1895年、日清戦争の最中というかその後に入れたんです。戦争に勝って取り上げたというんじゃないんです、元々。違うんですけれども、要するに清国が力が弱くなって日本が戦勝国になっている、そういう背景があるという事なんですよね。彼らは、「日本に力で取られたんだ。それを我々は正当に権利を主張しているんだ」と、こういう言い方なんです。彼らは彼らでそう言うんです。

結局この問題はパワーと関係がある。歴史観とその時のパワー、軍事力と経済力を含めてですね。パワーが実効支配の元なんですよね。日本は戦後60年、実効支配というものを単に法律論に置き換えてしまった。そこに厳然としてあるパワー、軍事力をまったく無視してきたんです。無視をしてきた結果、彼らがパワーを持つようになってきた。

韓国もかつては日本の植民地であった。それが二度と日本の植民地にされて堪るかでしょうし、追いつけ追い越せ、それと同じ様に中国もやってきて、パワーを付けた瞬間こういう問題になってきた。

そこを考えると、我々は綺麗事を言い過ぎてきている。そこが一番大きな問題だと思うんです。

佐伯啓思さん

これは大きな問題ですね。




最近読んだものの中から今回の対談に関連するお薦めの本を紹介します。

佐伯啓思さん著『経済学の犯罪 -稀少性の経済から過剰性の経済へ』

藤井聡さん、中野剛志さん、西田さんらの動画や著書で、グローバル資本主義や市場原理主義、構造改革の何が問題なのかは大分分かってきた感じですが、そもそもどこから間違ったのか、なぜ経済学が思想と結びついたのか、なぜその「流派」が主流となったのか、多くの謎が解けます。帯には「私達が誤った『思想』を信じ続ける限り、危機からは脱出できない!」とありますが、まさにその通りだと思います。

佐伯啓思さん著『現代文明論講義 - ニヒリズムをめぐる京大生との対話』

第6講『国を守ることをめぐる討議』、第7講『憲法をめぐる討議』は興味深いです。

中西輝政さん著『日本人として知っておきたい外交の授業』

京都大学名誉教授の中西さんは安倍さんのブレーンであり、9月5日に「安倍再登板を求める緊急声明」を発表した保守派有志のお一人です。

タイトルには「外交」とありますが、松下政経塾で行われた歴史観・国家観養成講座の講義録を加筆・修正したものだそうです。とても平易で分かり易い入門書だと思います。

中西さんの「戦後最大の諜報案件『李春光』」も是非ご覧下さい。

中西輝政さん著『日本人として知っておきたい近代史(明治篇) 』

「現在の日本も、国のあり方を根底から考え直さなければいけない時代に来ています。『これからの日本』という大きな国家戦略を考えるとき、深い使命感(正しい政治)と戦略的な思考(上手な政治)が何より問われる時代が到来しているのです。」(p24より)
維新ブームも漸く下火になってきた様ですし、愚かなリーダーを選ばない為にも歴史に学ぶ必要があると思います。

倉山満さん著『嘘だらけの日米近現代史』

さくっと読めて面白いです。

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